ベンチプレスで挙げられる重量に関して、よく体重の1.5倍とか2倍とかいう話をするが、恵はやはり絶対重量は大きいと思う。
当然、競技者間で言い合っている分には何の問題もないし、そういった基準が間違っているとも思わない。ただ、一般トレーニーまでが気にするような事柄なのかどうかは疑問である。
これは自分の経験的にもそう思う。
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恵は生まれて初めてベンチプレスをした時55kg挙げた。そして、その2週間後ぐらいに70kgを挙げたことは「ウエイトトレーニングでも才能?(ハードゲイナーへ・その②」に書いた。そして、その頃の体重は55kgぐらい。つまり、初めてで体重と同じ重さ、始めて2週間で体重の1.27倍を挙げたことになる。
が、分かる通り、全くたいしたことはない。たった55kgや70kgである。
しかし、これを体重100kgの人の場合で考えてみてほしい。体重が100kgあるからと言って、初めての時に100kg挙げる人がどれだけいるだろうか? 何かよほど筋力を使っていた人でもない限り、まずいないと言って良いのではないかと思う。
そして、もし仮にそういう人がいたとしても、その人がベンチプレスを始めて2週間で127kgまでマックスを伸ばす可能性はめちゃめちゃ低いのではないだろうか?
先のページで書いたように、恵が始めて2週間で70kg挙げられるようになったのは、ただ単に「元々70kg挙げる力があったから」だと思う。つまり、初めは持っている力をうまくバーベルを挙げることに使えていなかっただけで、慣れて、それができるようになっただけだと思うのである。
そのことを、また体重100kgの人に当てはめると、どうなるか? 「元々127kg挙げる力を持っていた人」ということになる。
これ、めちゃめちゃ怪力の人ではないか? ほとんどそんな人はいないのではないだろうか?
当然、柔道や相撲などを長年やっていたり、バーベルは使っていなかったが人や土嚢を持ち上げるようなトレーニングをしていた人や、重い荷物を運んだりしていた人は除く。
なぜなら、恵はウエイトを始めるまでそんなトレーニングはしたことがなかったからだ。だから、そういう人は同列には並べられない。腕立て伏せぐらいしかしたことがない人で「元々127kg挙げる力を持っていた人」がいるかどうかである。
そして、恵は非力な方だったのである。それなのに、「体重の1.27倍」ということで同列に並べてしまうと、超怪力の人と同じになってしまうのだ。
これ、やっぱり同じだとは到底思えない。
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いや、軽量級で高重量を挙げる人をディスっているのではない。それはそれで大変凄いことだと思っている。特に体重70kg以下で150kg以上挙げる人などは驚異的だと思う。恵の場合、その体重では100kgオーバーが良いところだったので。
ただ、ここでも言い訳すると、恵はフルコンタクト空手をやっていた関係で、当時は脚がかなり太かった。だから、体重70kgぐらいの頃の上半身はせいぜい63~65kgぐらいのものだったのだと思う。実際、見た目ではそのぐらいの体重に思われることが多かった。
まあ、そうは言っても、恵の場合その点を考慮してもその辺りの体重で150kgオーバーはとても無理なので、やはり言い訳でしかないけどね。。。
父ちゃんがトレーニングのために2階に行くと、アタシ暇やねん。。。
つまり、そんな非力で才能のなかった恵でも体重の何倍という見方をしてしまうと、さっき言ったように超人と同じになってしまうのである。
恵はやはり、この「体重の何倍」という基準値は相当やり込んでから考えれば良いもので、中級ぐらいまでの人が気にする必要があるようなものだとは思えない。マイナスにしかならないように思うからである。軽量の人はたいしたことがないレベルで有頂天となり、重い人は気落ちするからである。
また、先ほどと同じようなたとえになるが、もっと身近な例・ジムでも見かけるような関係で話してみる。
たとえば体重50kgの人と80kgの人が一緒にトレーニングを始めたとして、体重の1.5倍挙げようと思うと、50kgの人は75kgなのに対して80kgの人は120kgである。ウエイトトレーニングをしたことのある人なら分かると思うが、これは比較にならないほどの違いである。
また、当然、トレーニングを重ねると体重は増えて行くので単純に75kgと120kgで済むわけでもないが、それを考えると余計に比較できない差となる。
体重50kgの人が5kg増えた場合、元と比べ10%増量となり、かなりパワーはアップする。そして1.5倍は82.5kgである。経験的に70~80kgなら体重50kg台で十分挙げられると思う。
それに対し、80kgの人が5kg増えても6.25%アップにしかならず、しかも、85kgの1.5倍は127.5kgになってしまうのである。また、同じ10%増量した場合は、挙げなければならない重量は132kgとなる。いずれにせよ、周囲にそれほど挙げる人がいないぐらいの高重量である。
実際、体重50kg台でトレーニングを始めて1年以内に75~82.5kgを挙げる人はいくらでもいると思う。いや、半年以内でも多くいることだろう。1~2ヶ月という人も少なくないかもしれない。なぜなら、非力な恵でも2週間で70kg挙げているので。
が、体重80kg台だからと言って1~2ヶ月で120~130kg挙げる人がいるだろうか? 恐らくは1年かかってもほとんどの人が無理だと思う。一般論を借りれば、この数値は才能のない人間には一生かかっても無理だと言われているレベルだからである。
なのに、もし「体重の何倍」という見方を使ってしまうと、80kgぐらいしか挙げられない人がたとえば110kg挙げている人をバカにする、ということが起こってしまうのである。
これ、おかしくないですか?
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だから、まずは「体重の何倍」という見方をするより、絶対重量を伸ばすことを考えた方が良いのではないかと思う。自分の体重如何に寄らず。
あまりそれを気にすると、胸以外の部分にはできる限り筋肉を付けない方が有利だということにもなり、バランスの取れた体型には向かわない可能性も高くなるかもしれないし。
当然、それで良い人はそれで良し。ベンチプレッサーを目指す人や、とにかく「ベンチ何キロ?」と訊かれた時に、できるだけ細身で高重量を言った方がカッコイイと思う人はそれで。
ただ実際面で、体重をあまり上げずに、また、他の筋肉をあまり付けずにベンチのマックスを伸ばしていくのは結構難しいようにも思う。それこそ才能がものをいうのではないかと思う。
これも経験的にそう思うのだが、その根拠は、脂肪が増えただけで体重が増加したような時でも、マックスが伸びたことが何度かあったからだ。
また、身体はできるだけバランスを取ろうとするので、あまりにも背中の筋肉が発達していないと、その拮抗筋に当たる胸の筋肉を付けることもセーブしようとする傾向があるようにも感じる。加えて、ベンチプレスでも全身の筋肉を使うので、背中でも脚でも筋力が上がった方がベンチのマックスも伸びやすいとも思うのだ。
当然、体重増加をできるだけ抑えてベンチを伸ばしたい人で、それができている人はそれで良い。ただ、恵のブログを読んでくれている人の多くはそうではないのではないかと思うので、体重増加は気にせず、まずはとにかくベンチのマックスを伸ばすことを第一に考えてみてほしいと思う。
そして、ある程度納得のいく重量を挙げられるようになってから、減量を試みたり、要らぬ筋肉は削って(トレーニングをベンチ一本に絞って)いくと良いのではないかと。
まあ、とにかく、まずはよく訊かれるであろう「100kg挙がる?」をクリアしてから考えれば良いのではないかと思うのだが、どうだろうか?
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