中島翔哉に期待していたのに……

恵が中島翔哉に期待していたことは「中島翔哉に期待する」や「ウクライナ戦を観終わって…」などに書いた。新生なでしこが、長谷川唯の登場でその活気を取り戻しつつあるように、男子ではこの中島がそういう役割を担う人物であると恵は思っていたのだ。

 

 

しかし、、、、新監督は次戦の27人にでさえ、彼を選出しなかった。そして、基本的にはその27人の中から最終メンバーを決めるという。要するに、中島はロシアW杯にはほぼ出られないということだ。

あまりのショックに恵はすぐには立ち直れず、今日までこのことについて書くことすらできなかったため、こんな時期遅れにアップすることになってしまったのだ。

 

父ちゃん、あんまり気ィ落としなや。。。

 

新監督の中島落選の理由は「ポリバレントでない」だった。

「なんやそれ?」

恥ずかしながら、恵はその意味が分からなかった。調べると「多価」という意味で、サッカーの場合「複数のポジションをこなせる」という意味らしい。要するに、「ユーティリティープレイヤーかどうか」「コンバートできるかどうか」という意味と同じだと判断した。

意味が分かっての恵の第一声は、

「何、言うとんの?」

だった。

今期4つのポジションで10得点12アシストしている選手がユーティリティープレイヤーでない? 今期だけでなく、五輪予選の時、トップの武蔵をアシストしながら、自身も同等の得点数を挙げていた中島をコンバートできないほど不器用に感じるとはどういうこと?

何でも入り込みすぎると「木を見て森を見ず」となるのか? ものすごく乱暴に言うと、サッカーで「できない」などというポジションはキーパーだけではないか。

どのポジションでもやることはそれほど変わらない。基本的には「ボールを蹴るだけ」だ。もう少し詳しく言っても、パスを受け、パスを出し、相手をかわし、インターセプトし、シュートを打つ、だけだ。

 

 

当然、向き不向きはある。小柄な中島はやはりセンターバックには向かないだろうし、彼の良さも生きないだろうと思う。が、それ以外の場所なら、彼は結構そつなくこなせるように恵は思っているのだが、どうか?

当然、左サイドバックの場合、長友よりうまくできるとは思わない。が、そんなことは当たり前だ。そうでなければ長友がレギュラーのわけもない。が、控えの選手より左サイドバックができないとは思わない。

だいたい、ユーティリティーとはどの程度のものか? 2・3のポジションで十分ではないのか? 高徳はボランチ辺りもできると思うが基本的には両サイドバックの2箇所だし、香川も左サイドとトップ下の2箇所がメイン。本田はトップ・トップ下・右サイドの3箇所ぐらいでよく使われている。

中島も左サイドとトップ下でプレーできることは十分証明できているし、恵はその他にも右サイドやボランチでも力を発揮できると思っている。あのアシスト力の高さ、ラストパスを的確に出せる感性・判断力、キックの精度がボランチ辺りでも十分生かされるはずだと思うのだ。

新監督はその辺をどう思っているのだろう? ユーティリティー性で本当に岡﨑より劣ると思っているのだろうか? いや、恵は岡﨑は好きで、彼も連れて行くべき選手だと思っているが、「ポリバレント(多価)」でいうと、間違いなく中島の方が上だ。

ポジションだけでもそうだし、アクション的にもシュートやアシストだけでなく、フリーやコーナーなどのセットプレーキッカーとしても使えるし。だいたい岡﨑が球出し(アシスト)しているシーンをどれだけ見たことがある? 中島の場合は得点しているシーンに加え、本当に数多くアシストしている場面も見ている。




ただ、岡﨑には中島にないものがある。A代表での実績も違う。また、中島は本田の代わりにもなれないと思う。が、香川のできること、できるポジションで中島にできないものはないのではないの? で、今、ノッているのはどっち?

香川が要らないとは言ってない。中島を選考もしないのが分からないだけだ。

何より、このビッグ3以外の選手で最近代表戦で使われていなかった人間を何人も招集しているのにもかかわらず、数少ない代表戦2戦ともで、その能力の高さを示した中島を招集しないのが分からないのだ。

だいたい前評判が高くても、代表選で活躍できない選手は、いくら使い続けてもダメな場合がほとんどだ。恵ならそんな選手をまた招集するより、「結果を出した」中島の方を優先する。




「ポルトガルリーグはレベルが低いから」

そういう意見もあるようだが、本当にそうだろうか? 恵はポルトガルリーグのことをよく知らないが、元々ポルトガルという国はW杯で毎回優勝候補に名前が挙がるぐらいの国である。古くはフィーゴ、現プレイヤーでもクリスチアーノ・ロナウドの出た国である。そんな国のリーグがJリーグより下だって? ほんとに?

「年俸が安く、良い選手は皆海外に出るため」

それはそうだろうと思う。が、それを言えばJリーグだって同じだ。良い選手は皆海外に出る。が、その選手たちだって、元々はJリーガーだったわけだ。本田や長友や岡崎であっても。

つまりは、ポルトガルリーグの若手の中には後のフィーゴやロナウドがいるはずなのだ。そのうち海外に行くとしても。そのベース(選手レベル)が日本より下だと思うわけ?

まあ、これは良い。恵もよく分からないから。だが、少なくとも、マリ戦・ウクライナ戦で力が通用することは証明できたではないか。特にマリ戦では、相手がうまいこともあって誰も得点することができなかったところ、途中出場で中島だけは得点したではないか。

そのことを差し置いて「ポルトガルリーグは…」などと言っても無意味だ。逆に言えば、どのリーグでやっていようと使える選手かそうでないかだけだ。ヤットさん(遠藤)はどの監督もよく使っていたが、彼はずっとJリーガーで、いわゆる「海外組」ではなかったし。

ああ、かなわん。。。

 

 

日本はW杯で2度ベスト16になっているが、その両方の時の監督は恵の嫌いなタイプの監督だった。負け惜しみに聞こえるかもしれないが、それによって自分の判断が間違っているとは思わなかった。

「オシム監督だったら、もしかしたらベスト8に」

と思っただけだ。

中島のいない日本も、もしかしたら良い成績を残すかもしれない。が、恵はそういう結果になったとしても「中島が出ていれば、もっと」と思ってしまうだけだろう。

全て憶測で、何の意味もない発言になってしまうが、そう言うことって結構ある。

メジャーに行くとなぜかピッチャーはWBCには出なくなる(出られなくなる?)が、もし全ての良いピッチャーを使えたら日本は4連覇していた可能性は結構あると思う。先発を大谷・ダルビッシュ・田中・マエケンでローテして、それをボカスカ打てる国などないように思えるからだ。



浅田真央は15歳でグランプリファイナルを優勝した時、そのまま五輪に出ていたら恐らく金メダルを取っていたと思う。浅田が出場しないと分かった時、恵は「アカン! 四年後やと金取れなくなる!」と叫んだ。そういうものだからだ。

あの時なら、イメージで言うと90%以上の確立で金だと思った。多少ミスしても。他国にたいした選手もいなかったし。が、四年後だと90%の確率で金は取れないと思った。選手のピークや流れだけでなく、恵は何より「プレッシャーがかかる」と思ったからだ。

15のあの時なら、わけがわからないままに金を取っていたと思う。今回のザギトワのように。もし取っていたら、その後たとえば3連覇などもあり得たと思う。が、その年に出なかったら、もう二度とチャンスはないように感じた。

荒川も良いが、過去の日本人の中では最も金を取るべきだと思ったのが浅田だった。いや、それまでの全てのフィギュア選手の中で、と言っても良い。




恵はフィギュアは氷上のバレエだと思っている。スポーツ競技だとは思っていない。だから、女子はほとんど生まれ持った体型で向き不向きが決まってしまうと思っている。身体が細く手足が長いこと。それに加えて「艶」。これは「情感」という意味。

元々恵は、女子でフィギュアに向く国は日本とフランス、そしてロシアだと思っていた。が、とうの昔にフランスは移民選手しかスポーツで活躍しない国になっていたし、ロシアも何故か女子フィギュアにそれほど力を入れていなかったように思う。だから日本の独壇場だった。これは成績のことではない。実力のことだ。

だが、ソチ五輪前からロシアがやはり力を入れ始めた。恵はジュニアの中に浅田のライバルになりそうな人物を見つけた。当時まだ14歳だったラジオノワ。恵はラジオノワはリプニツカヤより怖いと思った。その理由は表現力。が、ラジオノワは急激に身長が伸びたせいで伸び悩んでしまった。そして代わりのように出てきたのがメドベージェワだった。




基本的にフィギュアでは、恵は午年と卯年を好むようだ。卯年は表現力抜群で、午年はかなりの表現力+技術と言った感じか。採点競技のため、午年に軍配が上がることが多いように思う。

卯年 安藤・ラジオノワ・メドベージェワ

午年 浅田・ザギトワ

とにかく恵は氷の上のバレエが観たい。計算上得だとして、筋骨隆々の女子が、豪快に真っ直ぐ滑って思いっきりジャンプして加点されるだけ、などというものになったら、誰が観たいと思う? いや、氷上の体操だとして、それでも観たい人はいるのかもしれない。が、恵は観たくない。

まあ、それを言えば、五輪競技になっていることが元々間違いということにもなるので、表現力抜群のメドベージェワが技術力でザギトワに負けたところまでは何とか許せる。メドベが飛び抜けているだけで、ザギトワも表現力がないわけではないからだ。だが、浅田が負けた相手は、、、ねえ。。。

中島の話なのでフィギュアの話はこのぐらいにして。



中島が四年後W杯で活躍できるかどうかもこれで怪しくなったように思う。今回出ていれば次回も活躍する可能性は高いと思うが、、、過去の例を見ても、

「サプライズ召集された選手はW杯で活躍せず、サプライズカットされた選手はその後W杯での活躍は?になる」

というジンクスのようなものがあるように感じる。

カズ・北澤・久保はその後も出ていないので分からない。中村は活躍したともいえると思うが、結局日本はぼろ負けしている。香川もそれほど良くはなかったし、やはりぼろ負け。

四年経てば周りの選手や監督など状況も変わるし、本人のピークもある。恵は何より「負を背負ってしまう」ことが一番マイナスに働くように感じている。

何とか中島がそうならずに四年後活躍してくれることを祈るしかない、、、、って、ほんまにもう絶対出られへんのかなあ。。。

 

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