大谷翔平選手に見る長身の有利さ

おまえは予想以上に大きく育ったねえ。。。

 

皆さんは、こんな経験がおありだろうか。

もっと背が高いと思っていたのに本人に訊くとそれほどでもなく、その逆に、それほど背が高くないと思っていた人が、近付いてみると結構背が高かったりした経験が。

 

 

恵は身長177cmなのだが、20歳まではガリガリの55kg前後しかなかった。そしてウエイトトレーニングを始めて70kg、80kg、90kgと体重を増やしてきたが、そのたびに他人からのイメージが変わっていることに気付いた。身長を低くみられることが多くなっていったのだ。

体重が55kgぐらいの頃はよく180cmを超えているように見られていたが、90kg前後の今は、近付いた時、よく「思ったより背が高い」と言われる。つまり、実際より低く見られているのである。訊くと、多くが見た目170cmぐらいだと思ったと言うのだ。

これは遠見で対比物がない場合、人は縦と横のバランスで高さを測ることに関係している場合が多い。よって身体が細いほど背は高く見え、横幅があるほど縦には短く見えるのである。

よくクイズ番組などでやっている「目の錯覚」だ。同じ長さ5cmのものでも、横幅が2cmある物に比べて1cmの物の方がかなり長く見えるのだ。並べて見れば同じ長さだということは分かるわけだが。

そして、恵の場合、ガリガリの頃と今とでは約10cmも違って見られているのだ。これは、できるだけ背が高く見られたい男にとっては非常に悲しいことである。だが、恵はガリガリのままも嫌だったのだ。

この問題は恵だけでなく、どの男性にも当てはまることなので、もし、あなたに息子さんがいて、その彼が最終的に175cmになるものだと仮定すると、細いままだと180cmぐらいに見られるが、マッチョになると170cmぐらいに見られてしまうということである。

身長で10cm違って見られるというのは非常に大きい。

嘘だと思った人は、身近な男性に本当の身長を聞いてみてほしい。尋ねる相手はかなり細い人とかなりがっしりした人で。恐らくはイメージと実際の身長に差があることが多いと思う。そして、細い人はイメージより実際には低く、がっしりした人はイメージより高いはずである。




ガリガリで長身に見られるか、背が低く見られてもマッチョが良いか。男にとっては究極の二択である。大概の男性はガリガリも低身長に見られるのも嫌だからだ。だが、そんなことを考える以前に、子どもの頃からスポーツなどでたくましくなることも多いのである。

柔道やラグビーは勿論、たとえ野球や陸上などであっても、今はウエイトトレーニングをして鍛えることも多い。これは筋力はあった方が競技に有利だからだが、バランス的にはその分横の比率は高くなっていく。

「じゃあ、どうやっても、たくましくなると低く見えてしまう」

うん。それはそうだ。

だが、野球の大谷翔平選手を見て「背が低い」と感じる人がいるだろうか? かなり背が高いということが、見た目で分からないだろうか? 実際、彼の身長は193cmあるそうだ。が、体重も現在は100kg前後あるのである。

知らなかった人は100kgと聞いてびっくりされたのではないだろうか? なぜなら、彼はどちらかというとスマートに見えると思うからだ。つまり、それだけ背が高く見えているということである。

ではなぜ、彼は背が低く見えないのか? それには2つの理由があると思う。

1つは、対比物がないとは言っても、実際には建物やフェンスなど何かがある。たとえ野球のマウンドでも地面はあるわけだ。人はそれとの対比で、日本人男性の背丈はこれぐらいという「平均的なイメージ」を掴んでいるのだと思う。そして、それより遥かに高い場合は分かるということなのだろう。

ただ、もう1つの理由の方が重要だ。

男性の場合、「ガリガリ」「ひ弱」と呼ばれるのは誰でも嫌だろうが、だからといって誰もが「ムキムキ」「マッチョ」と呼ばれたいわけでもない。また、スポーツをやっている場合、そんなことに構ってはいられないと思うが、スポーツはBMI値などの身長と体重のバランスが同じでなければ通用しないわけでもないのである。

「見た目」に関しては、身長と体重のバランスが同じでなければ同じようにはならない。たとえば、同じ80kgでも、身長170cmと180cmではそのムキムキ度は全く違う。当然、170cmの人の方が遥かにマッチョだ。180cmの人が同じムキムキ度にしようと思うと90kg近く必要かもしれない。

だが、スポーツは絶対重量(筋量)がほぼ同じであれば通用することが多いのである。つまり、たとえ両者の身長差が10cmあろうと、体重が同じ80kgなら通用するのだ。

よく考えてみてほしい。ボクシングや柔道・レスリングなどスポーツで「体重別」はいくらでも見受けるが、「身長別選手権」など見たことがある人がいるだろうか? 恵はない。そして、同じ体重なら背が低い方がムキムキで強そうに見えても、総合力としては背が低い方が有利なわけでもなく、また、どちらかが常に勝つというわけでもないのである。

ちなみに、「見た目」を競うボディービルの世界には「体重別」だけでなく「身長別」が存在している。理由は前述の通り、同じ体重の場合は身長が低い人ほどマッチョになれて有利だからだ。おなじ70kg級でも160cmの人と180cmの人では各部位ごとのボリュームは全く違ってくるので。180cmの人は160cmの人と比べてかなり細く(縦に長く)見えてしまう。

そして、これが大谷選手が背が低く見えない理由でもある。実際、193cmでの100kgはそれほど太いわけではないからだ。そして、100kgあれば、身長に関わらず同じ100kgの人と同等に戦え、当然180cmの人より190cmの人の方が「細い」ため、背が高く見えるのである。

ちなみに、同じくメジャーのダルビッシュ有選手も100kgあるそうだが、彼の場合身長が196cm近くあるので、大谷選手以上に細く背が高く見えていると思う。

要するに、同じ競技を子どもたちが始めたとして、同じように活躍するためには同じ体重になる必要があるわけだが、バランス的に言うと身長が高いほど細いままでいられるということである。そして、細いほど背は高く見えるのだ。

イメージしてみてほしい。メジャーの2人より身長で20cm低い173cmや176cmの人で体重100kgの人を。かなりずんぐりむっくりな体型をイメージするはずだ。だが、同じ土俵に立とうと思うと、やはり100kgになる必要がある場合も多くあるのだ。

 

 

当然、スポーツはパワーだけではないし、低身長でも低体重でも活躍できるスポーツもポジションもある。ご存知の通り、恵はサッカーが好きでよく見る。中でも好きな選手はメッシに中島翔哉、南野と、小柄な選手が多いし、彼らのプレは本当に素晴らしいと思っている。

だが、逆の言い方をすると「無理」なものも出てくるのだ。バスケットボールやバレーボールを持ち出さなくても、たとえばメジャーリーグのピッチャーやテニスのグランドスラムチャンピオンの中にでさえ、身長170cm以下の人がいるだろうか?

上記のサッカーのフォワードなどは低身長の方がバランス体重も低く、スピードや小回りの点で有利な部分があるわけだが、それでも海外には大きなフォワードの選手も多くいて、メッシと並び称されるクリスティアーノ・ロナウドは187cmもある。

彼は体重も84kgほどあるが、バランス体重で言うと70kg前後あり実身長は170cmもないメッシより「細い」ぐらいなので、より高身長に見えるのである。そして、サッカーのフォワードは小回りだけではなく、ヘディングで競ったりもするため、身長・体重があることが必ずしも不利なわけでもない。

つまり、スポーツの世界では、背が低いことは不利に働くことが多く活躍しにくい種目も多いが、長身が不利なことは少ないということである。

そして見た目についても、男性の場合は身長が十分にないと、細いままでいて(細くなって)背を高く見られるか、それとも筋肉を付けてたくましく見られる代わりに、少し背を低めに思われるかの選択となってしまうのだ。

また、女子の場合でも、同じく背が高いほど細く見えるし、手足も長くなる。大人になった時、多くの女性は胸のボリュームがないよりはあることを望むと思うが、その場合にも背が高い方が有利だ。

恵の幼少期には「トランジスタ・グラマー(小柄でグラマー)」という言葉が流行っていたが、現在の女性の多くは、できればスラっとした体型を望むようである。そして、その場合、身長が低いとあまり大きな胸は望めない。横の比率が高くなりすぎて、ずんぐりした印象になってしまうからだ。逆に背が高ければ十分なボリュームの胸を持っていても、細い印象のままでいられるのである。

 

たとえば、上下の写真を見てほしい。インディードのCMに出ている泉里香さんはかなり大きな胸をされているが、イメージは「細い人」だと思う。実際、体重も43kgぐらいだと聞くが、何より身長が166cmもあるのである。150cm以下であの胸の大きさの場合、細いという印象を与えるのはかなり困難だと思う。

 

そして、現代は女子でもスポーツをしている場合、多くはウエイトトレーニングで筋肉を付けるのだ。それらのことを考え併せると、女子の場合でもやはり背は高い方が有利、ということにもなると思う。

では、子どもたちの身長を伸ばすために、どんな時に何をすれば良いのだろうか。




もちろん、子供の成長には新生児からの第一次成長期はもとより、お母さんのお腹の中にいる時の栄養状態までもが関係してくると思うが、それらはまた改めて書かせて頂くこととして、今回は「第二次成長期」についてお話しする。

第二次成長期は「第二次性徴期」とも呼ばれ、身体だけでなく運動神経や自律神経などの神経系の器官も完成形に近づき、精神面も含めて子どもから大人へと変化していく時期である。

第一次成長期以降で最も身長が伸びるこの時期は、同時に成長の最終段階でもあり、成長のラストスパートとも言うべきこの時期が終わると骨の成長が止まり、身長もほとんど伸びなくなる。

つまり、この時期に必要な栄養素を摂取しているかどうかで、子どもの成長に違いが出ると恵は思うのだ。また、身長をあまり気にしない女子の場合でも、この頃の栄養状態いかんで、後に女性らしいスタイルになるかどうかも違ってくるだろうから、大事な時期だと言える。

そして、この第二次成長期が始まる時期というのは、我々が思っているよりもずっと早いのである。女子は早ければ7歳7ヶ月頃からで、平均で10歳頃から始まり、男子は早くて9歳、平均で11歳6ヶ月頃からスタートする。

知っていた人もいるかもしれないが、感覚的にはもっと後という感じではないだろうか? 女子なら初潮を迎えたり、男子なら声変わりが始まるなどのわかりやすい徴候が現れた頃に、「ああ、第二次成長期に入ったな」と認識する、という感じではないだろうか。

でもその頃というのは、実際にはもう既に第二次成長期が始まってからしばらく経ってしまっているのである。そして、この時期は一般的に17・8歳頃に終わりを迎えるが、男子でも早い場合は15歳以前に身長の伸びが止まってしまう。

つまり、通常の「遅れた」認識では、ほとんど何の対処もする暇もなく通過してしまうのである。



成長期の子供の骨をレントゲン撮影すると、関節付近に「骨端線」と呼ばれる線があることが分かる。レントゲンではその部分に少し隙間が空いているように写るが、この骨端線部分にある骨端軟骨組織が増殖しながら栄養素を取り込んで硬い骨へと置き換わっていく。

成長期の終わりに全ての軟骨層が硬い骨へと換わると骨端線はほとんど見えなくなり、この段階で骨の伸びが止まって身長も伸びなくなる。従って、レントゲンで骨端線が確認できるかどうかで、まだ成長期にあるかどうかが分かるが、子どもの成長を考えれば、そんなことをしているより「早めの対処」をすれば良いだけである。

では、どういう対処をすればよいのか?

また、遺伝以上に身長を伸ばしたり、女子を女性らしい体型にすることなど可能なのだろうか?

恵は可能だと思う。そして、やはりそのポイントは「栄養」にあるとも思っている。戦後の日本人の平均身長が世界でも類を見ないぐらいの伸びを示しているところと、戦後女性の急激なスタイルの変化にそのヒントは隠されていると考える。

それらについては以前詳しく書いているので、お知りになりたい方は下記のページへどうぞ。

 

自分のことばかりで子供のことはどうでもいいの?

 

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