値切り交渉についての考え方

アタシは母ちゃんと一緒で、値切るなんて無理!

 

前回の「引越し業者によって、それぞれ得意分野は違う」の最後に書いた、恵と嫁との「値切る」ということに関する考え方の違いを書いてみたいと思う。

車の下取り査定には裏がある」でも書いたが、恵は若い頃、新車や電化製品の購入時にかなり値引きさせた経験を持つ。

その基本的なやり方は、A社の見積もりをもとに数社と交渉すると、どこでもまずいくらかはA社より安く見積もってくれるので、今度はその中で一番安かった業者・仮にC社とするが、その見積もりを持ってA社も含めて数社と交渉するのである。

そして、その中でまた一番安い金額を提示した業者(この場合、初めのA社が頑張ることが多いが絶対ではない)の見積もりでまたC社と交渉するといったことを繰り返すと、「お手上げ」となる業者が次々に現れる。

そうなると値引きはほぼ頭打ちに近いので、残った2~3の業者間で競ってもらい、底値になったらオプションや特典で最後は決めるのである。

 

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引越し業者に関しても同じ手法を取れば安くなるはずだが、他にもいろいろやることがあるにも関わらず、居住中の中古住宅を購入したため、なかなか売主の引越し日が決まらなかったため期間に猶予がないし、また、もう恵に20代の頃のようなバイタリティーもないから、そこそこで良いとは思っていた。

何より、岐阜出身の嫁には「値切り交渉」は結構苦痛のようである。それを「いじめ」のように感じてしまうからだろう。ただ、大阪生まれの大阪育ちで、今まで住んだ所も大阪と奈良だけのバリバリの関西人である恵にはそうは映らない。

「交渉」は売買の醍醐味である。売る側にしても、言い値で買われてばかりだと力を発揮する場面すらなく、仕事の面白ささえなくなるというものである。「どうやって高く買わせるか」「いかに自分のところで買わせるか」というところに売り手の力量が問われるのである。

ただ、そうは言っても、恵の若い頃のようなところまでいくと確かにそれはもうイジメとも言えるかもしれない。以前にも書いたが、その時はそうするしかない事情があっただけで、それ以外では「相手も楽しめる」程度の交渉までにしている。

実際、1年半ほど前に新車を購入した時も、たった1店舗だけに1度行っただけで決めた。今はネットを利用してかなりの下調べができるので、「ここまで下げさせられたら買う」と決めてから行き、たった一言でそこまで下げてもらえたので買ったのだ。

 

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一言と言ったが、それは「恵の」という意味で、事実はそれまでに嫁が隣で交渉していたのだ。その間恵はずっと黙っていた。そして、嫁の交渉での下限がまだ恵の思う金額ではなかったので口を開いたのだ。

「思っていたより、高い」と。

すると、店員は少し心配そうな顔をして「いくらぐらいを考えておられましたか?」と訊くのでその金額を言うと、相手は「その金額では、ちょっと……」と困っていたが、恵はもう何も言わず、ただ微笑んでいた。

少し考えてから、その店員は上司だったか本社だったかと相談すると言って席を立ち、何やら長い間電話してから戻ってきて、「決めて頂けるのでしたら、それで」と言ったので即決したのである。

下調べから、だいたいそこが底値であることは知っていたし、それ以上値引きさせるつもりもなかったことが第一だが、その店員がなかなかのやり手で気に入ったこともその理由である。

恵は嫁との交渉から、その店員のタイプを推察していた。そして、その判断から一気に底値を提示してみたのだ。そこでだらだらと値引き交渉する店員だったら別の店舗に行っていたかもしれない。が、彼はそれをせず、恵たちを煩わせずに上司を説き伏せたのである。恐らくは恵のタイプを察して「ここで交渉を続けると逃げる。OKすれば決めるはず」と言って。

 

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新車を購入した場合、移動でもなければそれ以後もずっと売った店員が担当となるため、点検やら何やらでこれからも半年毎に顔を合わすことになる。また、恵たちは車の保険などもその会社が扱うものに変更したため、信頼できる人が良い。

実際、娘が嫁に行って保険から外れた時には年齢制限の変更が必要だったし、恵が昨年、自動車通勤でなくなった時にも「通勤で使われないのでしたら、こちらに変更された方がお得です」とちゃんと提案してくれた。そういうこともあるため、恵と感性が合う人が良かったわけである。

「そんなことぐらい、どのスタッフでもする」と言われると思う。確かにそうだ。日本人の営業レベルはどこでも総じて高いと思う。が、時々勘が鈍くてイライラさせられる店員もいることは事実である。

働く理由は皆それぞれで、モチベーションにも差が出ることは仕方がないことだと思うが、とにかく恵はプロが好きである。いや、自分も大したことがないので、そうでない店員を非難するつもりはない。

ただ、できればプロと交渉したり関わりたいと思うのだ。その方が楽しいから。だから、大阪の商人(あきんど)が好きである。

今は知らないが、当時の日本橋の電気屋などは、「こっちもプロですから、どこまでも付き合いますよ」と威勢よく値切り交渉に応じてくれたりした。決して悪くは捉えず、逆に「やりがいがある」と感じて。

次回はその観点から恵がサカイ引越センターを選んだ経緯について書いてみたいと思う。



引越し業者の口コミは当てにならない

引越し業者によって、それぞれ得意分野は違う

サカイ引越センターの見積もり例(サカイに決めた理由)

 

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