「運動ネタ」のあちこちで、ちょこちょこ書いてきたことではあるが、しっかりと書いたことがなかったので一度ちゃんと書いておこうと思う。
まず、初めに断っておくが、有酸素運動や食事制限は、健康であるためには欠かせないものだ。歩いたり走ったりする有酸素運動を続けていると、身体はその機能を維持しようとするので年齢を重ねても歩いたり走ったりできる。栄養の過不足のバランスを取ったりカロリーコントロールをする食事制限も当然健康へと導く。
ただ、全く何の知識もなくやみくもに実行した場合、時にとんでもない結果を引き起こすことがあるから注意が必要だ。特に「健康」という意識より「ダイエット」という意識が勝ってしまった場合に悲惨な結末を迎えることが多いようである。
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男性でも女性でもダイエット目的の場合、筋トレをあまりせず、ひたすら走っている人を見かけるが、これはあまりお勧めできる方法ではない。
特に女性は、「ウエイトトレーニングをしてプロテインを摂るとムキムキになる」という誤解から、有酸素運動だけしてタンパク質を摂取することも疎かにする人がいる。また、「太る」という理由で炭水化物を全く摂らない人もいるようだが、それらの方法にはかえってリバウンドなどの危険性がある。
まず覚えていてほしいことは、「身体は生命維持を優先する」ということだ。「美しい体型」を優先してはくれない。「このままではいずれ餓死する」と感じた場合は迷わず脂肪をため込む。
この機構から考えて、有酸素運動だけをしていた場合どうなるかと言うと、身体は脂肪より先に筋肉を分解してエネルギーに変えようとする。筋肉を小さくすることによって基礎代謝を下げ、消費効率を上げるためだ。
これは車で例えると分かりやすいと思うが、速さやパワーより燃費の良い車が欲しい場合、あなたはスポーツカーと軽四輪車のどっちを選ぶ? 当然、軽四だと思う。
人間の身体は、大きな力を発揮せず、軽い負荷で長くエネルギーを消費する運動を続けていると軽四になろうとするのだ。理由はその方が効率よく生き残りやすいからである。
筋肉は車でいうエンジンにあたり、燃料を消費しながら力を生み出しているところだ。従って大排気量車が燃費が悪いのと同じく、筋肉が大きいと消費効率が悪い。その原理はいくら同じ速度で走っていても軽四より大排気量車の方が燃費が悪いことと同じである。
そこで身体は生命維持を優先して、エンジン(筋肉)を小さくしてしまおうとする。最終的には燃料(脂肪)も使うが、その頃にはエンジンは確実に小排気量に変わっている。
ここでマラソン選手のことを思い浮かべた人もいるだろうと思う。確かにその多くが細い体型をしている。だが、彼ら(彼女ら)のほとんどがウエイトトレーニングを取り入れているし、また、マラソンランナーはスポーツカーではないが軽四でもない。その中間あたりと言うか、かなりの速度で走っているのだ。
そして、一番の問題は「やめた後」である。
とりあえずマラソン選手は置いとくとして、ジムなどで遅い速度で走っているだけで細い体型を維持している人も多くいるが、それは「続けている」からなのだ。毎日何時間も走っている場合、かなりの量の食事を摂らないと、身体はその速度で走る最低限の筋肉だけを維持し、燃料も常にギリギリの状態になる。
その状態にある身体はどう思っているだろう。当然、死の危険を感じて脂肪を蓄えたいと思っているわけだ。つまり、基礎代謝が下がっただけでなく、身体(脳)が危険と判断して、「すぐにでも脂肪を付けよう」と思っているわけである。
その状態でトレーニングをやめたらどうなるか。厳しい減量生活を送っていた軽量級のプロボクサーが、やめた後風船のように膨らんでしまったりするのはそのためでもあるのだ。
体重が数百キロにもなって部屋から出られなくなった人を、壁を壊して救出する光景を何年か前にテレビで観たことがあるが、助け出された人は元々有酸素運動のトレーナーだったそうで、トレーニングの中断・再開を繰り返しているうちにそうなったそうだ。
これなどはまさに恵が言っている悪循環の典型的な例だと思う。有酸素運動により筋肉量が減った状態でトレーニングをやめると、基礎代謝が下がっているし脳が飢餓状態だと判定するからすぐに太る。それでまずいと思ってまた有酸素運動をすると脂肪も落ちるがまた筋肉も落ちる。それでまた基礎代謝がより一層下がったところでトレーニングをやめるとより一層太る……それを繰り返した結果が救出劇である。
以上の理由から、恵は「有酸素運動のみ」というトレーニングの仕方はお勧めできない。また、炭水化物抜きダイエットも身体のメカニズム的に同じ状態を生み出すのでお勧めしない。
確かに炭水化物を抜くと一時的に脂肪は減るが、やめた時には上記と同じ状態になる。従って、恵は有酸素運動と並行して筋トレも実施し、適切な食事を摂取することをお勧めする。
また、痩せるということで考えた場合でも、有酸素運動だけより筋肉を付けて基礎代謝を上げた方が早い。これは大排気量車の方が早く燃料を消費するのと同じ原理だ。
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で、ここで「女性でもムキムキになるか」という問題についてだが、答えは「筋トレを軽くする程度ならならない」と言っていいと思う。女性の身体は男性と比べテストステロン(男性ホルモン)の量が少なく、筋肉が太くなりにくくできている。
確かに女性ビルダーの人たちはカットの出たムキムキの身体だが、あのような身体になるために彼女たちはとんでもない努力を続けているのだ。それでも男性ビルダーと比べてみると遥かに細い。その理由は決して彼女たちが男性ビルダーよりトレーニングを怠っているからということではないのだ。
ただ、これは性別に関係なくそうなのだが、筋トレにより外側の筋肉(アウターマッスル)を鍛えた場合、やめた時に脂肪に変わりやすいという難点はある。特に瞬発筋を増やして肥大させた時にそうなりやすい。
実際に筋肉が脂肪に変わるわけではないが、筋肉が元々あったスペースを脂肪で補おうとするような働きが起こるのだ。「嫁の胸を大きくする試み」で紹介した方法はこのメカニズムを利用したものだったのだが、ことダイエットという意味では、結構厄介なポイントである。
男性の場合は、そのほとんどが「何マッチョ」であれ、それなりに筋肉のある身体が良いと思うだろうから、筋トレと必要に応じて有酸素運動をしていればそれで済むが、女性の場合はまた違ってくる。
従って、ここからはほぼ「女性向け」の話になると思ってほしい。
では、筋肉が萎んだスペースを脂肪が補おうとするリバウンドを避けるためにはどうすれば良いか。その場合はやはりインナーマッスルを鍛えるべきだと思う。
インナーマッスルとは「内側の筋肉」という意味で、主に関節付近などの骨を取り巻く薄い筋肉のことで、これを鍛えるとリバウンドしにくい上に生活上の機能的にも有用だとされている。だから、長い目で見た場合、女性や高齢の方には打って付けかも知れない。
方法は体幹トレーニングやヨガが代表的なものだと思うが、難点はエネルギーの大量消費、基礎代謝の大幅アップが見込める有酸素運動や筋トレより即効性がないことである。
だから、かなりの量の脂肪を落としたいと思っている人や早く痩せたいと思っている人には不向きな方法と映るかもしれない。トレーニングを始めようと思った時の状態には個人差があるから。
そこで恵は、それぞれの状態・目標に応じて、うまくそれらを組み合わすことをお勧めする。
例えば、あまり太っていない人や急いでいない人はインナーを鍛えるだけかプラス少しの筋トレと有酸素運動。逆に大幅な減量が必要な人は、初めは有酸素運動と筋トレを中心にして、痩せてきたらヨガなどのインナー中心に転換する、というのはどうだろう。
ただ、恵は大幅な減量を必要とする人も、できれば初めからヨガを取り入れてほしいと思う。確かにヨガはエネルギー消費量は少なく筋肉量もすぐには増えないが、ダイエットに成功する率がアップすると思うからだ。
たとえば筋トレや走ることが嫌いな人の場合で、それらを飽きてすぐやめてしまったりしても、「ヨガは面白いから続けられる」ということもあるからだ。
とりあえずヨガだけ続けていればいずれは痩せていくだろうし、また、今まで説明してきたように、ダイエット目的の場合、インナーマッスルが鍛えられるヨガは維持には一番良く、筋トレ・有酸素をやっていた人でも、いずれはヨガに切り替えるべきだと思うからだ。
それに加え、ヨガには「別の何か」があるようにも思う。それは呼吸法が単なる空気の出し入れではなく「プラーナ」という「気」のようなものの出し入れだからかもしれないし、また、単純に全身が調整されて便通が良くなるなどの効果があるためかもしれない。
その辺のことはよく分からないので体験レッスンなどで直接ヨガトレーナーに聞いて頂きたいが、とにかくすごく太っていた人で大幅減量に成功してそれを維持できている人の中で、「ヨガで痩せた」と答える人はイメージ以上に多いのだ。
ただ、ここで1つだけ注意して頂きたいことがある。それは、ヨガスタジオはカルトの隠れ蓑になっている場合があることだ。
このことについては「嫁の胸を大きくする試み」の時にも書いたので詳しくはそちらを読んで頂きたいが、嫁が通っていた経験から、その心配のないスタジオを1つ紹介しておく。
ここはホットヨガなので通常のヨガの効果に加え、冷え・むくみ解消やデトックス効果なども見込めるし、見た目のダイエット効果も早く表れてモチベーション的にも良いと思う。また、女性専用なので、男性の目を気にする必要もなく、気軽に通えるのも良い。
詳しいことは広告をクリックして公式サイトでどうぞ。店内の様子や体験レッスン風景などが動画で見られてイメージしやすいと思う。
最後に、「ダイエット番組」について少し書きたいと思う。
ダイエット番組でよく一日中トレーニングさせて少量の食事しか与えないというのを見るが、あれは例えば一ヶ月に10kg以上痩せさせるというような番組用に行っている方法で、一般人が真似するべき方法ではない。また、番組ではそれぞれのプロがついて指導しているのでトラブルも起こりにくいかもしれないが、個人でやるのは非常に危険である。
加えて、少し言い方は悪いが、それらの番組の目的は「期日までに何キロ痩せさせる」ということだけで、「その後リバウンドしないかどうか」は関係ないのだ。
当然、一度「細い自分」を知った人はそれを維持したいと思うだろうし、番組側もそれが可能なように「その後の維持の仕方」も教えていることだとは思う。だが、その方法は「テレビ放映された方法そのままではない」はずだ。
当たり前のことだが、1日中トレーニングして少量の食事を続けられる精神・状況の人は少ないし、また、続ければ、ほとんどの場合は身体を壊す。
それらを考慮せず、ただその食事だけを真似たりすると非常に危険なのだ。
今まで説明してきたように、無理な食事制限の休止・再開を繰り返した場合、リバウンドを繰り替えして元以上に太る可能性もある。また、逆に、その食事制限を休まず続けられた場合、もっと危険な状態に陥る可能性もある。
それは「拒食症」だ。
もし拒食症という「病気」を患ってしまうと、場合によっては一生その病気に悩まされ続けたりもする。160cm以上の身長で体重30kg台なのに、まだ自分を「太っている」と感じてしまい、落ち着かないのだ。
重症なケースでは、リハビリを開始しても身体が栄養を吸収せず、骨と皮の状態からいつまでも脱出できなかったりするようだ。
だから、トレーニングの有無にかかわらず「食事制限」には十分気を付けて頂きたいと思う。
恵には陸上の女子短距離選手のあのチーターのようなスタイルが非常に美しく見える。ただ細いだけでなく、女性の健康的でスポーティーなスタイルは、恵だけでなく多くの男性が魅力的だと感じるものだと思う。それは、人間も動物の一種ゆえの本能が、機能美に反応するからではないだろうか。
えっ? アタシのこと、父ちゃん?
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