サカイ引越センターの見積もり例(サカイに決めた理由)

このページは、「引越し業者の口コミは当てにならない」「引越し業者によって、それぞれ得意分野は違う」「値切り交渉についての考え方」ときた続きである。

 

家族だけの時は図太いねんけどなあ。。。

 

廃棄業者上がりの引越し業者が帰った後、考えたのはサカイ引越センターだった。言い方は悪いが、弱小の次は大手に見積もってみてもらいたかったからである。

アートは丁寧だが高いと聞くし、売り手市場の時期には交渉できなさそうだと思ったことと、引越侍での一括見積ですぐに連絡してきた内には確か入っていなかったから外した。サカイとアリさんの2社は電話だけでなく、メールもすぐに送ってきていた。

だが、どの業者も唯一高くなるこの時期でなければ、アートにお願いしていた可能性は高いと思う。いくらか高くなるとはいえ、通常期ならそれほどの金額差は出ないだろうし、恵たちにとっては最後の引越しになる可能性が高いから、安心できるところが良い。中古とはいえリフォームしたばかりの家を壊されて賠償の話になるのとかは嫌だからだ。

 

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恵の感覚でしかないが、引越し業界では老舗のアートが飛び抜けていて、次にサカイ・アリさんの2社が続くと思う。そのためか、この2社の見積もりはだいたい同じぐらいだと聞く。

恵宅は一度アリさんマークの引越社を利用したことがある。そして、アリさんは2度目の時は1度目の明細書を見せれば値引きしてくれるのである。

だから本来は先ほどの業者の20万と1度目の明細書を利用してアリさんと交渉し、その後、サカイと交渉すべきなのだが、嫁があまり交渉したがらないことと、サカイに興味があったため、先に来てもらうことにした。

ちなみに、恵は今回もひきこもり犬・アンのために交渉に参加できない。

サカイ引越センターに電話すると、その日なら朝8時に伺わせて頂きたいと言われた。その時間しか空いていないからと。

OKして、当日早くから用意して待っていたが、8時10分になっても来ない。15分になっても来ない。そこで恵は少し心配になってきた。なぜなら、サカイの口コミで多かった悪評が「営業がクソ」だったからだ。「引越し業者の口コミは当てにならない」の中で書いた「数時間遅れた来たのに謝らなかった」と言われていたのはサカイだったのだ。

えっ? もしかして、あの書き込み群は本当のことなの? じゃあ、あの見積書も名刺も置いて行かなかったあの業者がまだマシってこと? 上司ができるだけふんだくろうとしていたあそこが?

そういうことが頭をよぎったが、恵はベスト引越サービスの時に交渉しているし、嫁はアリさんと交渉経験がある。いずれも特に問題は感じなかった。が、20年も経てば、業界にも変化はあるのかもしれないし。。。

恵は「寝坊なら仕方がない。それは誰にでもあり得ること。謝罪があればそれで良い。が、他の理由なら考えもの」と嫁に言っていた。寝坊でもあるまじき、と思う人もいるのだろうが、恵は許す。少々後が心配にはなるが、腹は立たない。

とにかく変な理由でなければ良いが、と思った。渋滞なら電話を一本入れることはできる。8時より前にどこかに訪問営業している可能性は低いとは思うが、その交渉が長引いている場合でも、約束時間に遅れる場合は電話するべきである。何より、向こうが指定した時間だからだ。

後、可能性としては会社と担当間の連絡ミスぐらいか?




8時半になった時点で会社に電話してみた。すると、しばらくして担当から電話が入って嫁が出た。

「今からでも大丈夫か。9時には行けるが良いかと訊かれた。一応謝っていたけど、それほど低姿勢な感じでもなかった」と嫁が言った。

嫁の返事は聞こえていた。「大丈夫ではないですけど……。どのぐらいかかりますか? はい、ではお待ちしています」と答えていた。「どのぐらい」というのは見積もりにかかる時間のことである。その日、家のローンの締結のために銀行に行くことになっていた。その時間は変えられないため、そういう返事になったのだと思う。

「それやったら、またにしても良かったのに。アリさんが先でも」と恵は言ったが、嫁は「サカイの見積もりを知りたいから」と言うので、とりあえず来てもらうことにした。所要時間は「1時間」ということだった。

1分もずれず、サカイの営業マンは9時ピッタリに来た。また恵とアンは部屋に引きこもった。

今度はやはり大雑把に部屋を見てまわっただけで、大半の時間をその営業マンが話し続けていた。嫁の奇声は一度も聞こえなかった。それだけその営業マンの話が理解しやすく納得のいくものだったからだろう。

そして、そのサカイの人は上司ともその場で電話で話し、一度も中座することなく1時間ピッタリ、10時ちょうどに帰って行った。時間に対する信頼を取り戻そうとするかのように、非常に正確だった。

これは恵からすれば、長々と言い訳されるより安心感がある。ミスは誰にでもある。大事なことは「その後」だと思うから。

後に嫁から聞いた話では、やはり8時に来なかった理由は会社から営業所への連絡ミスのようだった。向こうが8時しか無理だと言ったのに、どういうわけか彼に届いた連絡は「9時」だったのだ。その時間、彼もどこかで営業していたわけでもなく、ただ、営業所に待機していたという。

「なるほど。電話対応の時、あまり低姿勢ではなかったのは自分のミスではなかったからか? が、誰のミスであれ、担当は会社を代表して平謝りが普通ではないか?」とも思ったが、そういうことではなく、そういうスタイルというか、そういうキャラクターのようだということが嫁の話から分かってきた。

彼は一般的な大阪の商人とは違い、非常にクールに攻めるタイプのようで、たとえば、

「ああ、廃棄が多くてその金額なら〇〇さん(先の廃棄業者上がりの業者)の方がお得かもしれませんね」

「アリさんと交渉されるなら、言わばライバル関係にありますので、恐らくうちより安くされると思います」

など、発言が悪い意味ではなく冷めているのだ。それでいて別に怒っているわけでも投げ出しているわけでもない。その後にまた交渉に応じる旨を伝えて、ちゃんと見積もりも打ち出し、「連絡をお待ちしております」と名刺も置いて帰った。




サカイの最初の提示金額は25万だった。大手にしては意外にも安い方だと思った。シュミレーターでのこの時期の平均価格は35万ぐらいだったからだ。これは「サカイの」と言う意味ではなく、引越侍の見積もりシュミレーションで出した業界全体の平均価格である。

そして、交渉から廃棄業上がりと同じ20万までは下がった。ただ、エアコン2台と洗濯機の廃棄は別料金で、家具の廃棄は無理とのことだった。家電3台の廃棄料金はリサイクル料と合わせて3万強とある。高い。

ただ、彼は「エアコンは無料で引き取る業者がいるのでそちらで処分されるという手もあります。一応、こちらでも依頼しておきますから、引越し日の3日前までにキャンセルしてくだされば結構です」「家具は今度引越しされる地域ですと、粗大ごみとして6点まで無料で引き取ってもらえますので、全て運んでしまうという手もあります。それを運ぶかどうかでこちらの料金は変わりませんので」と言っていたそうだ。

話しを聞いていて、恵はその人を結構気に入ってしまった。前回でも言ったように、恵は職人が好きだからだ。その手法やタイプによらず、プロが好きなのだ。経験的にそういう人の方が信頼できるからである。嫁もその営業マンに対して悪い印象は全く持っていなかった。

どこがサカイの営業はクソなの?

 

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で、どうするか? 通常はアリさんを呼んで見積もりを出してもらい、サカイより安くなった見積もりをもう一度サカイに見せて交渉となる。が、アンがいるために交渉は2人ともいる時でないとできないし、今のマンションは後一ヶ月で出なければならない。あまり時間の猶予はなかった。

そこで、恵は別の方法も嫁に提案した。

「どうする? アリさん呼ぶ? けど、あんまり時間ないやろ? オーソドックスなその方法でいくか、それともアリさんすっ飛ばしてサカイと交渉するか」

「アリさん飛ばして、どうやったらええの?」

「15万ぐらいから入れば良い。現時点でサカイは18万なら絶対OKするから」

「何で?」

「アリさんの話出した時点で、あの営業マンなら2万下げなアカンことは覚悟しとる。もし『18万で』とこっちから電話すれば、上司にも聞かずにOKするわ。というか、今頃既に18でOK出す了承は上司から得ているはず」

「そうなん? 何で?」

「サカイが20やったとアリさんに言えば、最低でもアリさんは1万引いてくる。それをサカイに見せたらまた1万引かなアカンからや。だから、18は覚悟してるので、15ぐらいから入れば16・7万にはできるぞ」

と言ったのだが、嫁は「無理」と答えた。「15万なんてとても言えない」と。「じゃあ16は?」と聞いても無理だと言う。

恵が電話で交渉しようかとも思ったが、見積もり時に参加しなかったのに、それは礼儀として良くないと思ったし(別に問題はない。恵のこだわりなだけ)、当日は別の作業員が来るとはいえ、恵はやはりアンと部屋にこもるので嫁が対応するということもある。何より、そこまで苦労したのは嫁なのに、手柄だけ恵が取るようで嫌だったからだ。

また、嫁は18万なら良いと言う。恵は嫁が良いなら20万のままでも良かったし、その営業マンを気に入ったこともあるので、「それなら、アリさん飛ばしで」ということになった。

「それで、どう言うたらええの?」

「主人ができればサカイさんにお願いしたいと言っているので、アリさんとの競合などなしで、もう少し頑張ってもらえれば」と言えば良いと言った。そうすれば「いくらなら?」と聞いてくるだろうから「18万」と言えば良いと。

で、夕方その通りに嫁が電話すると予想通りの流れとなり、相手はその場でOKした。




これが今回の全ての顛末である。競合は廃棄業者上がりの引越し屋とサカイ引越センターの2社のみ。但し、アリさんマークの引越社を引き合いに出したことも値引きに貢献していると思う。

3月末で大手なら18万は安いほうだと思う。時間に関する連絡ミスはあったが、ミスはどこでも出るものなので、先ほども言ったが、恵はそのリカバリーの方が気にかかる。

嫁の電話を受けた会社の方は平謝りしたようだし、担当営業マンはキャラだと判明したから問題なし。逆にその有能さ(手法に彼なりのテクニックを感じる)を気に入ったぐらいである。

サカイは初めから吹っ掛けて来なかったことも好感が持てたし、聞かずとも様々な必要な提案を向こうからしてきてくれたことも良い。しかも、それらのほとんどが直接的に自社の利益に関係がないことである。

「契約を取る」という一番大事なことのために、他のそのような一見無利益な事柄にもしっかり対応するという姿勢が気に入った。それでこそ「プロ」である。

ただ、まだ引越し日は先なので、肝心の作業の方がどうなのかは今のところまだ分からない。当日、何か気にかかる点があれば、また書きたいと思う。

 

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引越し業者の口コミは当てにならない

引越し業者によって、それぞれ得意分野は違う

値切り交渉についての考え方

 

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