観たと言っても、いつもの如くテレビ観戦しただけ。そういえば格闘技イベントはもう随分長い間観に行っていない。
20代の頃は自分がフルコン系の空手をやっていたこともあり、空手やボクシングをよく観に行っていた。K-1の母体である正道会館の大会などは第一回からグローブ戦が導入されたころまで毎年観に行っていた。
まあ、そんなことはどうでもいい。
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RIZINだが、、、まず、いつも観ていて思うことはMMA(総合格闘技)は判定が難しいということだ。
ボクシングでも空手でも判定は難しいが、特にMMAは観ているみんなが納得できる判定が出し辛いように感じる。
恵はMMAもプライド開幕の頃から観ていて、UFCも観る。そのUFCには登竜門として「The Ultimate Fighter(ジ・アルティメット・ファイター。通称TUFタフ)」というリアリティー番組があり、それも観ていた。
TUFは、各地から若いファイターたちが集まって共同生活をしながらトレーニングして試合をし、トーナメント優勝者はUFCと契約できるというシステムを持つ番組だった。が、その中でUFC社長のデイナ・ホワイトでさえ、「何だ、あの判定は? あれは絶対反対の方が勝っていた」と怒っているシーンが多々あった。
それぐらいMMAの判定は難しいのだと思う。デイナ自身も選手たちに「勝敗をジャッジに委ねるな」と何度も言っていた。それこそ口癖のように。
で、今回のRIZIN11の浅倉カンナvsRENA戦だが、、、恵の見方ではとてもカンナの勝ちとは思えなかった。
「何を言っているんだ。MMAでは長く上になっている方が勝ちなんだよ」
そう言われる方もいると思う。それは知っている。UFCでもそうだ。
それを知った上で言っているのだ。
山本美憂vs石岡沙織戦の判定は納得がいった。この試合でも美憂が長く上になっていた。
だが、恵にはこの2試合は全然内容的に別なのだ。
父ちゃんはいつもアタシに負けてるよなあ。
弱いなあ。。。
石岡は非常に良い選手だと思うし老獪なテクニックを駆使して下から関節を取りに行っていたが、どれも決めきれなかったし、立ち技の対決ではヒット数もその威力(相手に与えたダメージ)も山本が上回っていたと思う。また、グラウンドでも美憂が上になっているシーンが多かった。
ただ、どちらも決め手に欠けていたのでドロー、もしくは美憂の勝ちだと思っていたから2-1のスプリットデシジョンは良いところだと思う。
ただ、カンナ・レイナ戦は……ここから少し、ディスる部分があることをお許し願いたい。そうでないと説明できないので。
立ち技ではクリーンヒットこそあまりなかったが当然レイナが優勢だった。そしてグラウンドではカンナが上になるシーンが多く、試合全体を通してそのシーンが長かったことは認める。
ただ関節はどれもかからなかったし、パウンドに至っては全く効いていなかった。それどころかほとんどレイナはかわしていて当たってすらいない。そして加えて言うなら「当たっても効かないパウンドばかり」だった。
本当に申し訳ない表現になるが、カンナのグラウンドでのパンチは距離やインパクトが全く合っておらず、素人女性のそれのように威力がなかった。あれでは当たったものも、長く打撃系をやっているレイナには全く効かない。
レイナ贔屓の恵は試合前、嫁に「カンナは相性の悪い相手だが、タックルはうまくても関節技はまだ一線級とは言えないから、倒されてもビビッて固くならなければ大丈夫。『(関節技を)かけられない』という気持ちの余裕があれば大丈夫だから、中途半端な攻めをせず、堀口恭司のような思い切った打撃で攻めてほしい。やはり勝ちどころは立ち技だし、打撃を効かせられたらその分タックルも切りやすくなるから。それができれば勝てるし倒せるのでは」と言っていた。
レイナはカンナに前回締め落とされてはいるが、あれは「余裕」というより「うっかりミス」のような感じだ。関節を舐め過ぎていた。恐らく練習では決まった時点でタップして放すだけだから、関節の本当の怖さがまだ分かっていなかったのだろう。
首をケアして当然の場面で、首のケアより先に次の対処を考えているような動きだった。バックマウントから抜け出す方に気を取られていたのかもしれない。だからすんなりかかってしまった。
だが今回は前回とは違う。7ヶ月間「本当の」関節の対処も学んでいることだろう。だから一線級ではないカンナの関節はかからない。それなら怖がらず、倒されても良いから思い切った打撃を放つべきだ。
だが、レイナは慎重だった。恵からすると思い切った攻めと言うほどではなかった。踏み込みが足らない攻撃が多い。良いミドルを当てたりはしていたが。
グラウンドの対処は良かったと思う。固くならず「かけられない」という余裕が見られた。だから決められなかった。
ただ、恵は「そやから、思い切ってぶっ叩けば良いのに」とずっと思っていた。確かにぶん殴りに行けばそれだけタックルされやすくなるが、どのみちタックルされるのだ。たとえジャブだけ放っていても。
実際そのようになった。打撃でダメージをあまり与えていないと長く上になられることが多くなる。すると判定に響く。
それがそのまま結果に出た。
「じゃあ、判定を認められるだろ?」
んむむむむ、、、、、、それが難しい。
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いや、レイナが勝ったとは思っていない。ただ、あれが(カンナの)勝ちか? と思っているだけである。
カンナは立ち技でレイナのきつい打撃を幾らかは受けている。そして、カンナはタックルからグラウンドで上になる時間が長かった。が、パウンドも効かず関節も決められなかった。
途中からは「何とか一本取ってやる」という感じではなく、「上になっていれば」という感じがしないでもなかった。
まあ、レイナ贔屓が災いしていることは認める。だが、恵が言いたいのはMMAはタックルポイントが高すぎる、ただ上になっているだけでも上のポイントが高すぎると思うのだ。
ボクシングや空手、キックなどの格闘技の多くは、相手にどれだけダメージを与えるかという競技だ。MMAはそれを究極にしたものだと捉えている。
その観点から言うと、カンナは全くレイナにダメージを与えてはいない。関節やパウンドについても。それなのに3-0の圧勝のようになってしまうのはどうかと思うのだ。
つまり、「判定方式」の難、ということだ。だからカンナが悪いと言っているわけでもない。そういう判定ルールだから、自分の持ち味からああいう戦い方になるのも分かる。
ただ、曲がりなりにも彼女はRIZINのチャンピオンだ。チャンピオンがあんな試合をして「尊敬する強いレイナに勝ったのだから、次はもっと上の相手と戦いたい」というニュアンスのことを言う前に、「不甲斐ない試合をしてごめんなさい」とかないのか、と思った。この発言によりレイナ戦の自分の戦いを認めていることになるからだ。
恵の好きだったボクサー辰吉丈一郎は、たとえ判定で勝っても、自分で納得ができないような試合になった時は土下座して観客に謝っていた。対戦相手にも土下座し、相手の手を上げていた。「勝ったのはおまえだ」とでも言うように。
カンナに対して謝れ、と言っているのでは当然ない。そんなことはどうでも良い。ただ、自分であの試合に納得している風なのがどうかということだ。
RIZINはアマスポーツではなくプロスポーツだ。法の抜け穴のような勝ち方をよしとしない方が良いと思う。最低、選手自身では。
先のUFC社長のデイナなどは、そういう選手をすごく嫌う。たとえ勝っても試合に出さなかったりする。逆に負けてもハートのあるファイターは好きだ。
UFCには3連敗で契約打ち切りという決まりがあるが、山本キッドなどは負け続けても非常にハートのこもった良い試合をするというので、そのルールを破って契約を切らなかったというエピソードもある。
恵が言いたいこと、わかりますか?
分かる人も多いと思う。が、分からない人も結構いるのだろう。
ボクサーの村田が世界戦1回目の時判定負けしたが、恵は「いかなる判定の仕方をしても村田の勝ち」だと思った。相手は逃げながら手を出してはいたが、村田のブロックに当たるだけか、ヘッドスリップによりかわされていたからだ。
つまり、「有効打と言えないような弱いパンチでも当たればポイント」というアマでもしないような判定をしても村田が勝ちだということだ。
だが、試合後ネットを観ていると「あんなもの、どう見ても相手の勝ちだ」と言う人間までいたのだ。
恵は本当にびっくりした。
そのことを思い出せば、ファクターが多くより判定の難しいMMAでの判定に文句を言っても仕方がないなあ、とは思う。が……
MMAでの判定で、タックルポイントとグラウンド上側のポイントをもう少し下げれば、本来の格闘技離れした試合は少なくなるのではないか、と思う。
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