トレーニング初心者へ youtubeはほどほどに

最近、またアンの写真撮ってないなあ。。。

 

最近、よくyoutubeでウエイトトレーニングの動画を観ている。元々そういうものはあまり観ず、専ら音楽か動物のものばかり観ていたのだが、「犬のために家を買う」で書いた通り、引越しの日がだんだんと迫ってきているため、ホームジムを作るためのリサーチをしていたわけである。

 

 

木造の2階のフローリングで200kg以上を扱うつもりなので、ジョイントマットとコンパネは必要になる。「おすすめ自宅トレーニング器具」に書いたが、パワーラックはやはり耐荷重とバーフックの形状からボディクラフトかバーウィングのどちらかが良いか。

ベンチはリーディングエッジでいけるだろうか? 90kgの体重で200kgほどのパーシャルベンチをすると耐荷重ギリギリだが? モリヤのコマーシャルフラットベンチを別に用意するべきか?

バーベルはやはりアイロテックの254kgセットしかないか、、、など、そういうのを調べるために「使用者の声」を聞きたくていろいろ観ていた。当然、比較するために恵が候補としている商品以外を使用している動画も観る。すると、「おすすめ」にもたくさんのトレーニング動画が出てくるようになった。

それらを暇潰しに観ていて思ったことがある。「youtubeもやはり使い方次第」だということである。




恵が若い頃にはインターネットすらなかったので、友人知人の話や本や雑誌に載っていることを参考にするしかなかったが、今はこのサイトのようにウエイトの情報を発信しているところは数多くあるし、またyoutubeでその動作ですら見ることができる。非常に便利になったものだと思う。

が、反面、そういう過剰な情報で混乱する初心者も多くいるのではないかとも思うのだ。

「2ヶ月で100kg挙げる」「ベンチプレス150kg挑戦」など、初心者が興味を持ちそうなものは多く、励みになったりやる気が出たりする場合は良いが、「俺はダメだ」となってしまわないかもちょっと心配なのだ。

誰かを責めているのではない。そういう動画を上げることには何の問題もなく、人々の役にも立っていると思う。恵も参考にさせてもらっているし、また、自分自身も情報発信しているので責められる立場でもない。ただ、初心者の人はあまり情報に振り回されず、うまくそれらを利用してほしいと思う。

恵自身がそうだから分かるが、初心者でも中級上級者でも、ウエイトトレーニングを続けている人にはこの方面に対するコンプレックスがあるので、自分にとってマイナスになるような動画は観ない方が良いかもしれない。

 

 

普通、2ヶ月で100kgは挙がらない。また、一生かけても150kg以上を挙げられるようになる人もそう多くはないはずである。それを分かった上で「すごいな。参考にしよう」という感じで観るのは良いと思うが、中にはそれをわざわざ観て貶す人もいる。

「尻上げで挙げても挙げたとは言えない」「止めなしだから、試合では失格」などと。

いや、貶すのも自由である。それが奮起のもとになるのなら。また、言っていることも間違ってはいない。だが、実際、尻上げだろうが止めなしだろうが、2ヶ月で100kg挙げたらすごいし、150kg挙げらる人はとんでもなくすごい。

また、今度は試合形式で挙げている人を見て「あんな背中弓なりにして腹に近い位置にバーベルを下ろすなんて。可動域ほとんどないし胸に効かない」と言う人もいる。

確かに。これも別に間違ってはいない。ただ、そういう競技だから。。。

ここで疑問に思ったのは、これは同じタイプの人が両方貶しているのだろうか? それとも競技者タイプ対ビルダータイプの言い合いなのか?

まあ、後者なら、勝手に言い合いしていてくれると良いと思う。どちらもすごい人同士なので、ここで話していることとは関係がない。恵が今話しているのは「初心者の混乱」についてだから。

もし、前者でその人がそれほど高重量を挙げられない中級以下の人の場合、マイナスにならないかが心配なのだ。どんな形であれ、高重量を扱えるとそれなりの価値がある。肉体的にも精神的にも。

恵は「ベーシックな種目をベーシックにやるのが一番大事」としながらも、「男性のウエイトトレーニング法・アドバンスド」でチーティングにまで言及しているのは、「それも1つの方法」だからである。そこにも書いたが、今まで全然使っていなかったボリュームの小さい筋肉などは、ストリクトにやっていてもなかなか効かないこともあるからだ。

もう一度言うが、今高重量を扱えている人がそれらを貶しているのなら良いし、貶すことが頑張る材料になるならそれも良い。だが、そうでない人の場合、「尻上げでは」「止めなしだと」「可動域が」と意固地になると、トレーニングの幅を狭くし、伸び悩みにつながるのではないかと思うのだ。それぐらいなら、あまり人の動画など観ずに黙々とトレーニングした方がよほど健康的だと思う。




あまり他人のすごい表面だけを見ると挫折しやすくなるので注意が必要である。

恵が若い頃、フルコンタクト空手の黒帯を取ったことは「バーベル・魔法の道具」や「男性のウエイトトレーニング法・羞恥心の克服」に書いたが、その頃、フルコンの黒帯と知ると、結構一目置かれることが多くあった。

が、実際には日本にフルコンの黒帯はものすごく多くいるのである。そして、中にはとんでもなく強い人もゴロゴロいたのだ。

恵はyoutubeに上げているベンチプレス150kgオーバーの人たちは、その猛者に匹敵するのだと思うのだ。そして、才能その他の違いはあれど、その人たちは人一倍努力したのだとも思う。

恵も空手をやっている頃、憧れる空手家を注目して見ていたが、やはり表面だけを見ると「自分には無理だ」と思えてしまう。が、それがたとえ世界チャンピオンでも、自伝書など読むと、「組手が怖くてよくサボった」などとあり、「ああ、この人でも同じなのだな」と思え、またやる気が出たものである。

その点、youtubeではその「結果」しか見えず、凄い人とはシンクロしにくいため自分のやる気にはつながりにくい。トレーニング開始直後からの努力を晒している人もいるが、そのほとんどが「強くなってから」動画をアップしているので。

 

 

また、youtube上に凄い人が「いくらでもいる」ため、「自分はダメだ」となりやすいと思うのである。

恵はその辺をうまく逆にとらえて活用してほしいと思うのだ。たとえ、今凄い人でも葛藤がありながら努力し続けてきただけだろうし、youtubeは日本全国(世界中?)どこからでもアップできるから多く感じるだけで、周囲にそれほど150kgオーバーの人がいるわけではないと思うから。

たとえば、150kg以上挙げる人が都道府県に1人ずついるだけで、最大47人がその動画をアップすることができる。それを見ると「ベンチしている人間はみんな150kg以上挙げるようになっている。俺はダメだ」と思って萎えてしまうかもしれない。が、その場合、実際には県にたった1人なのだ。

これを勉強に変えて考えてみてほしい。県で一番成績優秀でなくても、市で一番、いや、1つの学校一でもすごくないか? あなたは中学や高校の時、学校で一番成績が優秀だった?

さっき言ったように、空手の黒帯などいくらでもいる。これはベンチプレス100kg挙げられるぐらいのことだろうか? で、どうするか? 世界チャンピオンになれそうにない、150kg以上挙げられそうにないのなら、やめるのか?

恵の場合は、どちらも「今より少しでも強くなること」だけを考えて続けていた。そうしているうちに100kgオーバーも黒帯も手にすることができたのである。

「黒帯も100kgもいくらでもいて、たいしたことない」

その通りである。ここまでなら努力すれば誰でも可能というレベルだと思う。自慢するほどのことではない。が、いずれも「弱い方」というわけでもない。

結局のところ、あなたがそれを手に入れたいかどうか、ということである。




最後に、恵自身も加担しているため、しっかりと言っておきたいことがある。それは「停滞期」についてである。

恵も停滞期脱出法として、先ほどの「アドバンスド」を書いているが、あまり焦ってあれこれ試さないでほしいと思う。いや、試すのは良いが、いろいろ試し疲れて嫌にならないでほしいと思うのである。

初心者に覚えていてほしいことは、

「ある程度まで来たら、後はずっと停滞期」

ということである。

個人差はあるし、実際には全く変化がなくなるわけではないが、どこからかの時点で、ほとんどの人は伸びるスピードが遅くなる。それまで毎週のように伸びていたのに、1ヶ月以上経っても2.5kgの増量ができなくなるのである。

それでも皆、諦めずに黙々と続けていきながら、2.5kg、5kgと伸ばし続けているだけだから、「アカン、止まってしまった」と焦らず、今まで通りトレーニングを続けながら、少しだけ変化を付けてみたりすると良いと思う。

ウエイトトレーニングに関するyoutubeやネット社会の功罪は、何でも知れて便利な反面、まだまだ努力と忍耐が必要な初期の段階から、あれこれトレーニング法に迷ってしまうことにあると思う。

たとえばベンチプレス80kg以下で停滞期を迎えた人の場合は、様々な「脱出法」を試すより、根本的な意味でのトレーニング法に間違いがないか、種目数やセット数が多すぎたり少なすぎたりしないかを見直してみる方が良いかもしれない。

また、「ハードゲイナー」の場合は、体質により、筋肉が付き始めるまで人より時間がかかる。しっかりと栄養と休養を取りながら、気長に努力を続けてほしいと思う。適切なトレーニングを行ってさえいれば、いずれはまた伸び始めるはずだから。




若い頃は1ヶ月が待てない。その気持ちはよく分かる。恵の脳は未だにガキなので、今でもそうである。

だから、今日書いたことは、もしかしたら自分に言い聞かせていることなのかもしれないなあ。。。

 

 

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