なでしこは長谷川唯と(ちょっと気が早いが)蔵田あかりに期待する

父ちゃん、寝てるときは叫ばんといてって。
サッカー観てると急に叫ぶんやから。。。

 

今、女子サッカーのアジアカップがヨルダンで開催されている。日本は既にオーストラリアとの一戦でW杯出場を決めていたが、昨日の中国戦を観るにあたって五輪予選の悪夢が頭をよぎった。

なでしこはこの中国に敗れて五輪出場を逃したからだ。そして、いくら強くなってきているとは言え、中国に変な負け方をするようではW杯で良い成績をあげることは難しいと思うからだ。だが、その想いは杞憂に終わり、結果、なかなかの試合運びで勝利を収めた。

 

 

それでも現時点で、W杯で優勝争いができるかと訊かれたら、、、ちょっと難しいと思うと答えざるを得ない。世代交代がうまくできていないからだ。これがうまく行っていないチームは本番で大敗する可能性があると思っている。

ここらへんについての恵の考えは「中島翔哉に期待する」に書いたので、詳しいことはそちらを読んで頂きたいが、高倉監督に代わってから世代交代を図ったがうまくいかず、W杯を優勝した黄金世代の阪口・鮫島・宇津木、前回のW杯で得点した有吉、挙句の果ては川澄まで引っ張り出してきての復調気配だからだ。

干支を見る」で恵は干支で性質の違いを見ると同時に、それで年齢を覚えていることを書いたのでそれを交えると、坂口・鮫島・有吉が今年31歳になる卯年、宇津木が30の辰、川澄は33になる丑である。来年のW杯時はもう一つ年を重ねているのだ。中心選手がかなり高齢化していないか?

ただ、これは高倉監督だけの責任ではない。佐々木監督も先を考えて多くの若手を使ってみていたのだが、なかなかうまく育たなかったという経緯もある。要するに、人材にそういう谷間があるのだろう。




W杯優勝世代を仮に第一世代と呼ぶとして、高倉監督も本来は今年28歳になる午年の高瀬や中島、菅澤などの第二世代をトップに、若手を多く起用したメンバー構成にしたかったのだと思う。

が、W杯や五輪を経験しているその第二世代が、なかなか澤・宮間などの第一世代ほどの「柱」とはなれず、また若手のホープたちもぱっとしない。それでしかたなく第一世代をまだ使い続けているという感じがする。つまり、男女ともに日本のA代表はうまく世代交代ができていないと思うのだ。

そんな中、十代から使われてきた天才・岩渕がようやく本格化してきた感があることは嬉しい限りである。元々うまい選手ではあったが、大人しい性格が災いしていたのか以前はあまり「強さ」が感じられなかった。が、今大会を見ているとその「強さ」が出てきたように感じる。これは「自覚」と言い換えても良いのかもしれない。ただ、その岩渕ももう既に25歳(酉)である。

学年は一つ下だが、同い年には2012年のU-20W杯で大活躍して佐々木監督も恵も大いに期待していた田中陽子がいるが、彼女がAどころかなでしこリーグでさえ活躍できていないことはあまりにも悲しいし、仲田歩夢などはそのユースの時にオウンゴールで崩れ、鮫島の後継者争いから外れてしまっている。

この世代で生き残っているのは猶本(戌)・横山(酉)・田中美南(戌)。本来なら中心にならなければならない今年24~25歳なのだが。。。

 

男性用心理テスト

女性用心理テスト

そこに現れたのが長谷川唯(子・21)である。

彼女は1年前のアルガルベカップのアイスランド戦で初先発し、開始10分ほどで思い切りの良いミドルシュートで得点し、鮮烈なデビューを飾った。岩渕がなかなか自分で打たずに佐々木監督によく叱られていたことを考えると恵の期待は俄然高まった。するとその直後、横山からのクロスをボレーで合わせて5分と置かず2点目もゲットしたのだ。

恵はサッカーはうまさだけではW杯では活躍できないと考えている。「気合」「心意気」がすごく大事だと感じている。長谷川を見た時、W杯デビューでいきなりループシュートを決めた川澄を思い出した。その判断力と決断力の高さが同じなだけではなく、攻守にわたりひたすら必死にプレーするところも似ている。

つまり、恵から見ると長谷川はまだ若いが既に往年のメンバーに近い「気構え」ができているように感じるのだ。

そして何より彼女はうまい。さっき「うまさだけでは」と言ったが、身体の小さい日本人は気合だけでも通用しない。かなりのうまさも必要なのだ。

全員がうまくて心構えができている選手で構成されない限り、W杯での優勝は難しいと思う。横山も良いが、どこかまだ緩い部分があるように感じる。もう少し、といった感じ。田中美南もあと少し。猶本はコツコツ型だと思うので、使うたびに良くなっていくのではと思う。

体育会系出身者の為の特別な転職【転職サービス スポナビキャリア】

ここで断っておくが、基本的になでしこはみんな頑張っていて、全員に期待しているからこその発言である。阪神ファンが阪神の選手にダメ出しするのと同じ感じだと思ってほしい。実は未だに恵は田中陽子や仲田歩夢にも期待しているのだ。

実際、男子Aでは「こんな選手、使う必要あんのか?」と思う場合も多々あるが、女子ではあまりそういうことはない。佐々木監督の時は1人だけいた。名前は伏せるが、坂口・鮫島・宇津木と同世代の選手だ。理由を書くと誰だか分ってしまう可能性があるのでやめておく。

とにかく、長谷川の存在は今のなでしこにはかなり大きいと思っている。岩渕が本格化してきたのも長谷川の出現と無関係だとも思えない。年下の気合を見てエースが頑張らないわけにはいかないからだ。




そして、蔵田あかり(卯・18)である。

蔵田を初めて知ったのは、確か彼女が十文字高校1年の時だったと思う。その時の十文字には他にも良い選手がたくさんいたが、その中でも恵の目を引いたのは1年の彼女だった。見た途端、鮫島の後継者になれるのはこの選手しかいない、というような直感があった。

足がやたらと速く、距離に開きがある所から遅れて発進しても敵を追い抜いてしまう。また、長谷川や川澄と同じように視野が広く判断が早い。恵が見た時も後ろから受けたボールをチャンスと見てダイレクトでクロスを入れていた。

見た目は幼稚園児が嬉しそうに走っているかのようだが、実際にはプレーに非常に気持ちがこもっているようにも感じた。

ただ、、、、、、、、、、、、2年の時の準決勝終了間際、接触プレーで足を壊した。3年の時もまた怪我しての大会出場。良い選手でも、怪我でダメになる場合は多くあるので心配。持病にならなければ良いが。

そして何より、、、、監督はなぜ彼女をキャプテンにした? これは誰だか分ってしまうので書くのがためらわれるが、、、彼女だけはキャプテンにしたらダメだろう。彼女の将来と日本女子サッカーの将来を考えたら。。。「洗礼」などはA代表になってからで良かった。

早めに洗礼を受けて強くなるタイプと、訳が分からぬままトップまで行って、そこで洗礼を受けて強くなるタイプがある。恵は蔵田は後者だと思っている。彼女にはもうしばらく幼稚園児のように嬉しそうに走り回っていてほしかった。

また、やはりキャプテンはディフェンダーの方が良いようにも思う。センターバックやボランチ辺り。後ろから全体を見て支持を出せるから。縦に走ったりゴールに向かうことの多い蔵田のポジションは不向きだ。中央ではなく左サイドだし。

 

 

まあ、試合中のことより、日頃の練習時の指示出しやまとめなどが見ただけで不向きなことが分かる。もっとリーダーに向いている人間がいるだろうし、そういうことを考えず、ひたすら自分のプレーに専念させてやってほしかった。いずれはやるにしてもそれこそA代表で何年もやってからでも良いように思う。

まあ、これは全て素人考えで、十文字には佐々木則夫元なでしこ監督もついていることだし、何か考えがあってのことなのだろうけど。。。

でも、ミーティングの時の「蔵田についていくしかないだろう!」という発言はどうなんだろう? 彼女は大泣きしていたが。。。「しょうがないじゃないか」という風にしか聞こえなかったが。

ただ、これも事実であって真実ではないかもしれない。テレビではその前後がカットされている可能性が高いから。恵が思っているような意味ではないのかもしれない。

「批判」にならないようにしようと思うと、詳しく知っている人にしか分からない、訳の分からない書き方になってしまった。

 

 

とにかく、第一世代の選手はいずれそう遠くない未来に代表を引退する。来年のW杯は出るだろうが、その次の五輪はどうだろう? その次、5年後のW杯の時には恐らくほとんどが引退しているはずだ。

それを考えると、W杯までの1年間が勝負のような気がする。猶本はいずれ阪口の穴を埋められる存在にならないといけないし、第三世代の岩渕・横山・田中などが皆フォワードだから、川澄や第二世代の中島の代わりも育てなければ中盤が弱くなる。

一番急務なのは両サイドバックだ。サッカーはこのポジションに良い選手がいるチームが勝ちあがることが多いと素人目にも分かるので、今年31歳になる鮫島・有吉レベルの選手を育てなければ勝てなくなる。

特に左側は人材不足なので重要だと思う。その点では左右コンバートできる有吉や男子の高徳は貴重な存在だ。恵は研究不足でどういう選手がいるのかよく知らないが、長谷川は左サイドハーフができるのも良い。

蔵田も左サイドハーフだが、恵はタイプ的にサイドバックもこなせると見ている。長谷川もできるだろう。ただ、他に良い左サイドバックが見つかれば、いずれは長谷川と蔵田の途中交代、もしくは長谷川を中央に入れて蔵田を左で同時起用などとなるのか。どちらが前でも後ろでも良いが、できれば恵はこの二人のオーバーラップを見てみたいと思っている。

二人とも細く背が低いので、サイドバックとしてはディフェンス面で心配だという向きも多いと思うが、いずれにせよ日本人は小さいし、身体でどうこうするのはセンターバックに任せて、サイドバックは攻守ともスピードで勝負してほしい。男子の長友も小さいのでそうしているし。

平均身長の低い日本人の場合、あまり大きくなるとその分鈍くなる傾向にあるので、下手に大柄を起用しても、攻めにも守りにも使えなくなる可能性の方が高い。

熊谷などはセンターバックとしては抜群に良いが、かと言ってサイドバックとして彼女のようなタイプを起用した場合、守りには良くても攻めには向かないだろうし、攻守両方をし続けなければならないポジションだけに、大柄は体力的にも無理がある。

 

 

まあ、あくまでまだ妄想の段階だが、長谷川はこのまま使い続けられるとして、蔵田もできるだけ早くAでも使って行って欲しいと思う。恐らくまだプレーの「線が細い」とは思うが、案外その中でも自分の活かし方を見つけるのではないかとも思うからだ。以前挙げたオシムお気に入りの羽生の例もあるので。

内容はよく知らないのだが、佐々木前監督と選手たちとの間でもめ事があった時、何となくあまり観る気がしなくなった時期があった。が、やはり、なでしこを観ない、というわけにはいかなかった。

恵がなでしこを観始めたのはW杯優勝の頃からではない。彼女らがまだ北朝鮮に1度も勝ったことがないという時期から見続けてきたのだ。男子は時々見る気のしない試合になることがあるが、なでしこはいつも全力で、たとえ負けても納得がいく場合が多い。要するにスポーツ観戦としては最高なのだ。

そんなものを、スポーツ好きの恵が観ないなんていうことはできない。だが、やはり「強いなでしこ」を知っているだけに、あまり弱いなでしこは見たくない。

そして今、また強いなでしこに戻る気配が出始めているように感じる。そのキーウーマンになりそうなのが長谷川であり、蔵田ではないかと思うのである。

 

 

目次へ