不必要なものは必要な人に

恵がインドに2ヶ月いたことがあることは「常識って何 その①」で書いたが、そのうちの1ヶ月間泊まっていた安宿には、リサイクルスペースがあった。帰国する人間や他の地域に移動する人が不要になったものを置いていき、必要な物がある人がそれらを物色する。もちろんタダだ。

その宿には様々な国の人間が宿泊していたが、恵がいた時は日本人がそのリサイクルスペースの管理を任されていた。長逗留者が多かったためか、それとも日本人なら安心だと思われたためか。と言っても元々不用品なのだが。。。

 

 

英語」に、30歳を過ぎてから語学に興味を持ったことを書いたが、実はその一番の原因となったのがこのスペースだったのだが、そのことに関しては「語学が堪能な人々」に書いたのでそちらをお読み頂くとして、、、そのスペース、結構何でも置いてあった。

パジャマクルタ(インド服)、ショール、枕、シーツ、毛布、敷布団、座布団、鍋、フライパン、数段重ねのコッヘル(ステンレス製の食器。インド人が弁当によく使う)、フォーク、スプーン、割り箸、折り畳み式簡易ベッド、蚊帳、蚊取り線香、日本のマンガ・小説まであった。

飲食物以外なら、わざわざ買わずとも、そこへ行けば何でも手に入った。これらは帰国する人間にとっては不要な「ゴミ」だが、インドで貧乏生活する人間にとっては全て必要な物で宝の山なのだ。

 

父ちゃん、アタシもリサイクル品?
ん? 違う。おまえは天からもらった宝物。

 

確かに先進国の人間にとってはどれも大した額ではない。が、長くその国にいれば、やはりその国の物価が身についてしまうし、たとえ少額だとはいえ、必要品一式を揃えるとなるとやはり数千円はかかる。如何な先進国でも、数千円をごみ箱に捨てる人間はいないだろう。

恵は暇な時、よくそのリサイクルスペースを手伝っていたのだが、その時、他国の人と比べると日本人はまだリサイクルの意識が薄いように感じた。置きにはよく来るのだが、取りにはあまり来ないのだ。

綺麗好きだからということも関係しているのかもしれないが、ほとんどが洗えるものだ。それを嫌がるなら、高級ホテルにさえ泊まれず、高級レストランでさえ食事できないはずだ。いくら高級ホテルやレストランでも、客一人一人のためにシーツやフォークを買い替えはしないだろうから。

それと比べると欧米人は良い意味で「ケチ」だと思った。「タダでもらえるものを買う必要があるか」とでも言わんばかりに、何でも持って行った。日本国内でも、数十年前は粗大ごみを持ち帰る欧米人がよくいたそうだ。アジア人ではない。日本に暮らす所謂白人たちだ。ただ、このことに関しては場合によっては「犯罪」の範疇にも入りかねない行為なので全くお勧めする気はない。

 

 

現在は、20数年前よりはかなり日本人もリサイクルの意識が高くなってきていると思う。昔はあまりなかったリサイクルショップも数多くあるし、ネットで不用品を譲ったり売ったりできるシステムも存在する。良い時代になったと、この点に関してはそう思う。

恵はもったいなくて何も捨てられない人間なので、物が溜まってしょうがない。だが、引きこもり犬・アンのためにすぐにでも一軒家に移りたいと思っているので、そろそろ処分を考えなければならない。

ただ、個人売買・譲渡は不安だし性格的にも苦手だ。それでネットでいろいろ検索していると、なかなか良さそうなサイトを見つけた。



初め、「ブランド品なんか持ってないし」と思ったのだが、嫁や娘は使わなくなったものでそういうものを持っている可能性はあると思って、とりあえずサイトを覗いてみると、着物やアクセサリー、古銭や切手、果ては骨とう品まで買い取る、と書いてあった。




これは良い、と思った。思ったが、、、やはり恵自身は何も持ってないかもしれない。持っているもので比較的まともなものと言えば本ぐらいなので。。。大掃除をしてみないとまだ何が出てくるか分からないが、書籍類は恐らくタダ同然でブックオフ行きになるだろう。

だが、嫁や娘は着なくなった着物は確実に持っているし、ブランド品のハンドバッグや財布あたりなら持っているかもしれない。

おお、、、今、もう一度サイトをよく見ると項目の中に「洋服」とある。よく見たつもりだったが、見落としていた。

これなら恵でも持っている。いや、結構な数を持っている。「バーベル・魔法の道具」で書いたが、恵は身長が伸び切った以降に何度も体重の変化を起こしている。ただ太っただけではないので、そのたびにスーツを誂え直しているのだ。

ガリガリの54kg時代、そこから筋肉だけを付けた68kg時代、それにまた筋肉量を増した74kg時代、筋肉が落ち少し脂肪の付いた74kg時代、また脂肪の少ない74kg時代、そこから筋肉量の増えた80kg時代、そして現在それに脂肪の付いた88kg。

今は無理やり80kg時代のものを着ている。はち切れそうなのだが、今買ってもウエイトトレーニングをまたしっかりとやり始めると、体型が変わって入らなくなるので、嫁に「いい加減買ったら」と言われるのだが、まだ買いたくないのだ。

そして、さすがに54kg時代のものはないだろうが、恐らくそれ以外の時代のものは全て残っているはずだ。これも嫁に「もう捨ててもええやろ?」と訊かれるのだが、「いや、またいつ着ることになるかも知れへんから」と捨てさせなかった。貧乏性なのが一番だが、身体を絞った場合のことも考えてのことだ。

体重が増えても今何とか80kg時代のものが着られるのは、筋肉が落ちて脂肪が付いたからだが、これが筋肉増で変化した場合は5kgぐらいでもう以前のものは着られなくなる。オーダーメイドでもない限り、僧帽筋や肩、二頭筋・三頭筋、大胸筋、広背筋、大腿四頭筋など、部分部分が膨らむとすぐ全く入らなくなるのだ。



現在、日本はミサイルが飛んでくるかもしれない状況で、買ったばかりの家が爆死するとローンだけが残って悲しいので、家探しは休止している状態。また春ぐらいに再開を予定している。

家が見つかり、引っ越すことになった時は、どうせならこのサイトを利用したいと思っている。理由は至極簡単である。モデルが「坂上忍」さんだから。恵も結構ミーハーである。

ただ、誰でも物を売ったり買ったりするときは、「信用できそうな店」か「信用できそうな人が紹介する店」を選ぶと思う。恵もそういう意味で言っているのだ。坂上忍さんがどういう人かはよくは知らない。が、恵には少なくとも悪いものを紹介する人には見えないのだ。

あくまで恵の直感でしかないが、どちらかというと恵は頭より直感の方を信頼するタチなので。



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