なぜ犬ならOKなの?

父ちゃん、アタシにすっごく甘いもんな。

 

恵が元々短気で、それを20歳ぐらいから今まで改善し続けてきたことは「自分に厳しすぎる人たちへ」で既に書いたが、その変化度合については、対応する相手によって気付かされてきた。

 

スポンサーリンク

 

大学四年の時に、高校時代それなりに知っているという程度の知人にたまたま会って話していると、なぜか相手の対応が変なのである。どうもあまり目を合わせないし、返答も1テンポ遅れる。で、そのことを尋ねると「おまえ、そんなに笑って話したりするタイプだったっけ?」と訊き返された。

当然、仲の良い友人とは子供の頃から笑って話していたが、それ以外の人間に笑いかけることがなかった。「面白くないのに笑えるか」と思っていた。幼少期から母親に「三年に片頬(男は三年に一度片頬で笑うぐらいで良い)」と教えられていたことも関係していると思う。



ただ、大学の四年間をずっと一緒に過ごし、あまりに毎日一緒にいる為に他の友人から「嫁」と呼ばれていた奴に、ある時、「おまえ、初めて会った時、話しかけたら殴られるんちゃうかな、と思った。それをおまえから笑って話しかけてきた時は本当にびっくりした」と言われた。

それは大学一年のはじめ、ある授業が休校になり、校舎から出てきた時にたまたま会った時の話だ。その頃には、我々は体育の授業の班分けで同じ班になっていたので、恵としたら「もう知り合い」だったのだ。だから、笑うことができる相手だった。だが、そいつにとって恵は「関わるべきではない奴」と認識されていたようだ。

彼は誰にでもニコニコして対応する、恵とは逆のタイプだったのだが、その彼に「殴られるのでは」と思わせていたことを知って衝撃を受けた。

「俺は今までそんなに他人に不快感を与えていたのか」

と反省した。それを「三年に片頬」の発祥地とされる九州から来た奴に教えられるとは。。。元々恵は「愛想を良くする」ことを「媚びる」ことだと思っていた。つまり、「微笑む」のは「自分のため」だと思っていたのだ。

その日から、恵は相手に不快感を与えないために、できる限り微笑んで対応する習慣をつけるよう努力し始めた。

朝がつらい原因は「休息の質」が原因かも!?

その彼とは「出会い」の日から大学4年間を夫婦のように過ごしたのだが、その彼でさえ、後に恵の変化に驚いた。

大学を卒業して彼は地元の九州に帰った。数年後、彼の結婚式に招かれ、久しぶりに九州で再会したのだが、2次会3次会と進み、夜遅くにスナックで飲んでいる時、なぜか、彼が変な目で恵をずっと見ている。

「ん? どないしてん?」

そう訊いても返事をしない。

「ええっ? なんやねん?」

笑いながらもう一度訊くと、今度は逆に訊き返された。

「漠田、おまえどうしてん?」

「何が?」

「おまえ、変やぞ」

「どこがやねん?」

「おまえ、そんな奴やなかった」

「どういう意味やねん?」

「今日、ずっと見た来たけど、おまえ、えらい丸くなってる」

「そうかァ……」

こういうことが、度々起こるようになった。自分としては既に自然なこととなっているため、よく分からないし、説明するのもめんどくさいので、旧友と会わないことを願うようになった。

 

スポンサーリンク

 

現在の恵は、多くの人に「怒ることあるの?」と訊かれる。確かに、気付くと怒ることがほとんどなくなっている。10代の頃は日に何度でも、いや、下手すると一日中怒っていたのに。。。

そんな恵も未だにダメな瞬間がある。車に乗っている時だ。

最近、殺人事件まで起きて問題になっているが、恵も車に乗っている時だけは、まだイライラする。たぶん、運転時は危険な状態で常に神経を研ぎ澄まさなければならないからだろうが、自分の中に未だにこれほどの怒りがあることを知ってよく落胆する。「あんなにも努力してきたのに」と。老人相手でさえ、めちゃくちゃな運転をされると腹が立つ。

だが、その相手が犬なら腹が立たないのだ。

本搾り青汁ベーシック

人が車の前に飛び出して来たら、一瞬だが腹が立つことがある。が、それが犬の場合は「あっ、危ないよ」と思うだけで、「当たらなくて良かった」と思うだけで、一瞬ですら腹が立たない。散歩中の犬が車の前に飛び出してきた時などは「車来てるんやから、もっとリード短く持てよ」と飼い主にだけ腹が立つ。



これは恵だけでなく、同じタイプの人は多くいると思うのだが、皆さん、これはなぜでしょう?

「犬や幼児にはそういった認識力がないことが分かっているため」

これが、正解なのだとは思う。では、老人はどうだろう。認識力が幼児並の人もいるだろう。また、若者であってもそういう「能力」には個人差がある。「うっかり屋さん」も多く存在している。つまり、「認識力が低い」のだ。

「動物好きだから」

これも正解かもしれない。だが、それなら、ほとんどの男が好きな「きれいな女の人」なら腹が立たないのか。いや、その場合は少なくとも一瞬は腹が立つ。やはり犬と同じではない。

サンスター 粉末青汁

 

「犬や幼児は飼い主・親の責任によって躾ていかなければならないのに対して、大人の場合は経験から学ばなければならないので、その指導のため本能的に腹が立つ」

これもあるかもしれない。この場合、本能的なことなので難しいことだろうが、やはり「怒る」必要はない。「叱る」必要はあっても。だが、恵はいつもではないが時には本当に「腹が立つ」のだ。



ごめんなさい。このことに関しては、答えが出ていないのです。

恵はいつも、車に乗っていて腹が立った時、「犬なら何でOKなんや?」と自分に訊くのだが、未だに返答はない。



目次へ

 

スポンサーリンク