【RIZIN.14】天心vsメイウェザー戦 どうせやるならMMAで

アカン、何かシッポ痒い。風呂入れて!

 

これについて、すぐには書く気がしなかったため、今日になった。これほど書くのがしんどいと思ったのは、中島翔哉がW杯メンバーから外れた時以来である。が、今まで書いてきた経緯を考えると、やはり、書かないわけにはいかないと思ったので、とりあえず書く。

 

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まず、勝敗は分かっていた。ボクサー対キックボクサーの場合、どっちのルールでやるかで勝敗はほぼ決まる。ボクシングルールならボクサー、キックルールならキックボクサーである。

こんなことは当たり前だ。メッシが何もトレーニングせず、すぐにラグビーで活躍できるか、また逆に、五郎丸がサッカーですぐ活躍できるかというようなことに近い。

確かにこれはちょっと極端で、あまり例になっていないかもしれない。が、過去にそういう対決を見て来た経験からも、また、自分のちょっとした体験からも、これはそうだと思う。つまり、「自分の競技ルールでやった者の勝ち」ということである。




「キックがあっても天心が負けていただろう」「キックがあれば、そこそこ勝負になったのでは?」という人の多くは、若い人かボクシングだけの経験がある人だろうと推測する。

なぜなら、昔はそういう異種格闘技戦のようなものは多くあり、ボクサーとキックボクサーがキックルールで対決した場合は、そのほとんどがキックボクサーの勝利だったと記憶しているからだ。

また、自分自身がフルコンタクトの空手やキックボクシングなど、蹴りがある競技を経験している人は、蹴りは慣れないとほとんど避けられないことを知っていると思うからである。

ただ、ここで勘違いしてほしくないのは、メイウェザーのように、あくまでボクシングしか経験のないボクサー対キックボクサーがキックルールで対決した場合は、であること。この場合は、そのほとんどがキックボクサーの勝利で、世界チャンプクラスでも、キックボクサーのパンチでダウンを奪われたりもしている。

これもごく当たり前のことである。ボクシングはほぼ顔だけをケアすれば良い。腹はよくトレーニングやスパーリングをしていれば、反応が遅れても、パンチをもらった時に自動的に締まるのでそれほどでもない。また、相手の攻撃も視界から近い手だけである。

が、キックルールになると、自分の足先から頭まで全てケアしなければならない。それがたとえボディーでも、蹴りはパンチの数倍の威力があるので、「当たった時自動的に」というのではきつい。足にはグローブなどのクッションもない。

また、ボクシングではよく相手のパンチを「頭で」ガードするが、これもキックルールでは無理。威力が弱く、且つ、グローブがあるパンチとは違い、破壊力のあるむき出しの硬い足の甲や脛を頭に食らうと、それが一番ダメージを受けにくい側頭上部であっても、脳震盪を起こす可能性は高いからだ。

そして、相手の攻撃も手に加え、視界から遠い両足も見なければならない。ボクサーは当然ローキックなど食らったことがないから、そこを意識して戦ったことがない。そして、避け方も分からない。

たとえば、キックでは基本的なコンビネーションである右ローキック・ワンツー・左ハイキックという単純な技でさえ、ボクサーには決まりやすい。

右ローを食らい、意識が下に行くとパンチまでもらいやすくなる。ストレート的にパンチを受けた時、相手の手が視界にあるのに、外から左足が回ってくるのである。そして、ハイキックの避け方もよく分からない。

戦っている時(攻防中)は本能で動くため、ボクサーは相手の手だけを意識して見ている。そこへ足が回ってくるのだ。運動神経が良いボクサーなら、スウェーでかわすかもしれない。

だが、左ハイを何とか避けたすぐ後に、同じ動作から左ミドルを蹴られて避けられるボクサーがどれほどいると思うだろうか。膝関節が相当固いキックボクサーでもなければ、誰でも同じ動作からハイとミドルは蹴り分けられるからだ。

これはキック系(キックボクシングや空手)の人間でさえ、読み違えて食らってしまうこともあるのである。それを未経験者が避けられると思われるだろうか?

ハイを何発か蹴られて命辛々避けた後、次に相手が蹴り出したら、まず不慣れなものはガードを上げる。するとオーソドックス構えの場合、開いている側のボティーはがら空きなのだ。そこへ重いミドルを叩き込まれることを想像してみてほしい。ボクサーには経験のない威力を腹に受けることになる。

そして、押し込みの強いミドルを蹴られた場合、たとえガードしても自分の肘が脇腹に食い込んで効く場合すらあるのだ。

ただ、これらは単に一例である。「天心が蹴りを使っても負けただろう」と言っている人に対しての反論なだけである。だから、メイウェザーが絶対このようになったということではない。

が、過去の対戦で言っても、キック対策をしていないボクサーの場合、ほとんどが蹴りに翻弄されてパンチまで食らい、自分のパンチは届かない、というような試合になったことだけは知っておいてほしいのである。

だから、恵は「キックルールでも天心の負け」という意見には同意しかねる。

 

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こういうことを書いていると、恵は空手経験からキックボクシング贔屓なのだと思われるかもしれないが、それもまた大いに見当外れである。「男の人生はウエイトトレーニングで一変する」の後半で書いている通り、ボクシングの大ファンでもあるからだ。

そこには、井岡一翔・村田諒太・井上尚弥選手など現役のボクサーに関してだけでなく、長谷川穂積やマイクタイソン及び、その師匠のカス・ダマト、トレーナーのケビン・ルーニーについて、大橋秀行vs張正九戦、高橋直人にまで言及している。

どこまで書けば、恵がボクシングファンでボクサーをリスペクトしていることが伝わるのだろう。

出そうと思えばいくらでも出せる。恵は海外ではレナードやハーンズ、デュランよりマービン・ハグラーのファンだった。東日本新人王戦の時、川島郭志のパンチを悉く掻い潜って殴り続けたピューマ渡久地は最高だった。

浅川誠二がほとんど勝ち星のなかった噛ませ犬(名前は伏せる)に世界前哨戦でまさかのKO負けをしたが、その噛ませ犬が新人王戦の時、ほとんど何もせず棒立ちのままKO負けした試合も恵は覚えている。ちなみに、その選手は浅川戦の勝利後のインタビューで引退を表明した。

当時、関西では放映のなかった畑中や薬師寺(ともに世界王者になる前)の試合を、その頃岐阜に住んでいた嫁(当時・彼女)に録画してもらって全て見ていた。また、畑中が世界を取った試合(ペドロ・デシマ戦)は会場で観た。

もういいよね? 出せばきりがないぐらい、いくらでも出せるので。何せ、恵がボクシングを観始めたのは小学1年生の時で、キックボクシングと同じ期間のファン歴があるからだ。一番初めにファンとなったのは輪島功一さんである。そして、同じ頃にキックの世界で活躍していたのは富山勝次さんである。

とにかく、こんな恵がボクシングがショボいなどと思っていると思うだろうか?




それでも、恵はあくまで「キックルールなら」天心が勝っていたどころかKOしていた確率がかなり高いと思う。過去の試合を観て来たことと、「天心と武尊」で書いた恵自身の元プロボクサーとのキックルールでのスパーの経験からそう思うのだ。

ちなみに、恵はこの元プロボクサーの友人ではない現役のプロボクサーとのボクシングルールでのスパー経験もある。当時、日本B級ランキング1位(日本ランク11位?)の選手で、ジュニアライトの選手なのに当時ウエルターまでの4階級で戦っていて、その頃5連続KO勝ちしていた選手だった。

これは弱小ジムの悲しさだと思うが、彼は西日本新人王の途中(準決勝ぐらい?)で負けたために、そういうドサ回り的な試合をしなければならなくなったようだが、その時彼は確か新人王トーナメントのその1敗しかしていなかったと思う。そして、彼に勝った選手は後に東洋太平洋チャンピオンとなり、1度世界戦も経験したと記憶している。負けたけど。

で、スパーだが、正味、ほとんど当たらなかった。手加減されていることを差し引いても、彼は剛腕タイプではないと思った。つまり、うまさで4階級上の選手までKOしているということになる。素人の恵のパンチが当たるはずもなかった。

向こうのパンチはほとんど避けられなかった。まず、グローブの重さに慣れていない恵は、挙動なしにパンチを放てない。だから、こちらが打とうとした瞬間に、もう向こうのジャブが恵の顔面に入っているのだ。

殴られながら追い回しているうちに、「相手のパンチが当たった瞬間に飛び込んで打てば届くだろう」と考え付き、それを狙って打つと何とかヒットした。

が、グローブの厚みを計算に入れていないため(それに慣れていないため)、インパクトの位置が悪く、グローブ分押すパンチとなる。相手はのけぞったが倒れない。逆に、身体を起こす反動を利用して思いっきり奥の手のストレートを鼻っ柱に叩き込まれた。

たった1発で鼻の中の軟骨が曲がってしまって、それは今もまだ治っていない(そら、放っておいたら、勝手には治らんよなあ……)。まあ、顎を打ち抜かれたわけではないので効きはしなかったが、両鼻から大量の出血となった。

両鼻がふさがっているとこんなにも息苦しいのか、と思った。たった2Rでパンチが効いてではなく、体力的にフラフラになった。当然、相手は余裕の表情。手加減もしてくれていたと思う。なんせ、こっちはボクシング未経験者だったから。

 

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ちなみに当時現役だった彼の名誉のために言っておくと、これは違法なスパーではなく、恵が正式にジムに入会してのものである。ただ、入会して2週間も経っていない頃のことだが。

スパー翌日、ジムに行くと、入会から1年経ってもスパーさせてもらえてないという学生の子に「昨日のスパーリング、凄かったですね」と言われた。

恵は恥ずかしさに「全然当たれへんで、殴られてただけやけどな」と答えたのだが、その子は笑顔も見せず、本当に驚いたような顔のまま、もう一度「凄かったですね」と言った。

何が凄かったのか? プロレス並みの流血がか? と思った。恵はほぼ空振りばかりしながら追い回していただけで、後はタコ殴りにされていただけだからである。が、そういうことではないようだった。

理由は、同じその選手と来月プロテストを受けるという練習性がスパーしているのを見て分かった。それはスパーリングとは名ばかりで、ほとんどマスボクシング程度のものだったからだ。その練習性はただ身体を揺すって動きながら、踏み込みがなく届かないパンチを放つだけで、ほとんど当てようとする気力すらないように見えた。

そして、先の選手の方も恵の時とは大違いで、時々軽いパンチを当てる程度なのだ。まあ、これは恵が突っ込んでいくのでそれを止めるために殴らなければならなかったと理解できたが、理解不能だったのは、その練習性が撫でられた程度のそのパンチで何度もダウンすることだった。

なんで、あんなパンチで倒れるの?

確かに強く打っていないパンチでも効く場合はある。恵もタイミングの良いカウンターフックを顎にもらった時は一瞬危なかった。その時、恵が付けていたヘッドギアは顎の部分はむき出しだった。

が、彼が食らっているのはカウンターでもなく、ヘッドギアのある部分だったのだ。だいたい、その練習性はちゃんとパンチを打たないのでカウンターにすらならない。

恵はそれを見て呆気に取られたのだが、そのことを元プロボクサーの友人に話すと、「自分も初めてスパーした時は怖くて、何階級も下のプロ選手にチョコンと軽く叩かれただけで、ポテッと倒れてた」と答えた。

やはり、気持ちはかなりダウンに関係があると思う。恵はこのスパーをする時、全く怖いとは思わなかった。それまでに何度も空手で何十キロも体重の重い人と組手をしていたからだ。

いくらパンチでの顔面打ちはないルールとはいえ、足はOKなのだ。むき出しの足で顔を狙われる怖さは経験してみないと分からないと思う。事実、恵は空手を辞めるまでずっと組手が怖かったのである。

つまり、恵はプロテストを控えている練習生より遥かにスパー経験はあったので、その差だと理解した。




また、通常どのジムでも半年近く経ってからでないと(早くて3ヶ月ぐらい?)、スパーリングはさせてもらえないものだ、とその友人は言った。

「おまえが、相当やりたそうな顔してたんやろ」

と友人は冗談を言った後、恐らくは格闘技経験がばれていたのだろう、と言った。恵は会長に格闘技歴を訊かれた時に「ない」と答えたが、シャドーを見ればズブの素人ではないことだけは、やはりバレたのだろうと思う。

また、その弱小ジムには、その選手以外にもう1人有望選手(全日本新人王者)がいたが、フライ級の選手だったため、スパー相手としては合わないため、恵を早めにスパー相手に指名したのだろうとも思った。体格が合いそうなのが、恵とそのプロテスト生しかいなかったためだ。

こんな話をしても、恵や友人、その日本ランカーと天心・メイウェザーはレベルが違い過ぎて同等には測れないが、ボクシングとキック、どちらかしか経験のない人や、どちらも未経験の人間が言うよりは幾分説得力があると思って書いた。

その経験からも、恵は、ボクシングルールならボクサーが、キックルールならキックボクサーがほぼ勝つと思うのである。

その現役ボクサーとは当然キックルールではやっていないが、そのスパーの時、反射的に蹴りそうになるのを何度も堪えた。相手が下がった瞬間に蹴りそうになり(このタイミングはロー・ミドル・ハイとも蹴りがヒットしやすい)、相手がダッキングした時は膝蹴りを入たくなる衝動にかられた。

恵は当たり前のことだが、キックルールならこの選手にでも負けない、と思った。

元プロボクサーの友人とのキックルールのスパーでも感じたが、後傾で蹴れば相手のパンチは届かないのである。そして、相手はキックの対角線の攻撃(右ローと左ハイなど)に反応もできない。突進してきたらストッピングの前蹴りで距離を取れる。無理やり入ってきたら、崩して膝を入れられる。

もっと言えば、ルール上、ボクシングもキックも倒れたら(スリップダウン)ストップなので、天心は顔面ガードして後傾で蹴り続け、相手が伸びあがりながらパンチを打ってきても、相手のその勢いでそのまま後ろに倒れると言う手もある。

これは少し卑怯かもしれないが、体勢が崩れている時に相手の勢いで倒れているだけなので、これを何度繰り返してもルール上は問題ないのだ。

つまり、恵が言いたいことは、ルールがキックのものなら、圧倒的に天心が有利だということだ。これは実力の問題以前に「キックボクサーに圧倒的に有利なルール」という意味である。

また、恵がグローブに慣れていない話をしたが、実際にはそれどころか顔面アリの攻防すら経験がなかったのである。その点、天心はじめキックボクサーの場合は、当然グローブにも慣れており、そういった問題も生まれないのだ。




ただ、こう書くと「じゃあ、やはりボクシングよりキックの方が強い。公平にどちらもアリにしたらキックが勝つのだから」と勘違いする人がいるかもしれないが、そうではない。パンチ蹴り共にOKというのが平等なルールではないからだ。それではキックルールなだけだ。

だいたい恵は、この異種格闘技戦が嫌いなのだ。「違う競技」同士の選手を戦わせて何の意味があるのだろうと思う。が、敢えて他競技同士で「どちらが強いか」を比べたいのなら、「何でもあり」でやらなければ公平にはならないと思う。

そうしたらボクサーがよけいに不利になるかと言うと、そうはならないと思うからだ。さっき言った「後傾になって蹴れば」「スリップダウンでストップ」などキックルールでキックボクサーが有利だった面のほとんどが利かなくなるからだ。

体軸を傾けて蹴っていると突っ込まれただけで倒れやすくなる。それ以前に下手に蹴りを出してキャッチでもされれば、引き倒される。MMAルールなら、倒れても続行だから、そのまま殴られてしまうのだ。

どうだろう? もう既にMMA(総合格闘技)も格闘技ファンに認知されているのだし、もしボクサーとキックボクサーを戦わせたければMMAでやれば良いと思うのだが?

恐らくは、数多くある格闘技の数多くいる選手の中で、「本当の一番を決める」という考えから総合格闘技ができたのだろうと思うし。何も時代に逆らって、今時、異種格闘技戦などやらなくて良いと思う。




ボクサーが何の対策もせずにキックやMMAのリングに上がったら圧倒的に不利で、その多くが恐らくすぐにやられてしまうだろうと思う。キックは上記の通り、MMAならタックルで倒されてしまったら終わりである。

が、実際には、ボクサー上がりのキック選手・MMA選手には素晴らしい選手がたくさんいるのだ。これまで言ってきたことは、あくまで「ボクサーのままで」ということで、ボクシングベースの選手がキックやMMAで活躍できないということではない。

恵の大好きな五味隆典選手もボクシングベースで、攻撃の主体はパンチである。彼は蹴りや関節はそれほど使わずにプライドで君臨していたのだ。

恵はそれがベストだと思っている。ボクサー上がりはパンチ主体、キックボクサー上がりは打撃主体という形が。蹴り対策やタックル切り、関節技への防御などをよく練習して、攻撃は自分の得意分野ですれば良い。

ボクサー上がりが柔術家にグランドで勝てるわけもないので、できるだけ相手の土俵で戦わず、自分の競技スタイルに引き込んで戦うべきだ。当然のようにキックやMMAでは皆そうしているが。

そして、キックでもMMAでもパンチは非常に効果的な攻撃手段なため、ボクサー上がりがそれらで活躍できるのは当たり前のことだと思う。パンチの攻防に関してはボクサーの右に出る者はいるわけがないからである。

だから、もし、天心とメイウェザーのどちらが強いかを比べたいのなら、MMAでやるべきである。ただ、天心は既にMMAで数回闘っているので、すぐやると天心に一日の長がある。だから、メイウェザーも最低半年ぐらいはMMAの練習をして、且つ、数戦闘ってから天心とやると良いと思う。

ただ、当然、適応能力というものも関係するので、ボクシングの世界チャンピオンなら誰でもMMAで活躍できるというものではないことだけは付け加えておく。まあ、だから本当はやる必要はないと思うんだけどね。室伏さんがやり投げで村上さんに勝つ必要はないのと同じように。

今、天心が戦う必要があるのは、やはり同じキックの武尊だけではないのかなあ。。。




後、やはり少し気になったのは、なぜかボクサーは他の格闘技をバカにする傾向があるということ。それは恵の友人でもそうだったし、ネットでもそういう人を見かける。

当然、ボクサーとしての「誇り」が関係しているのだとは思うが、それを考えると余計に訳が分からなくもなる。「じゃあ、他競技の人の誇りはどう考えているの?」と思うからだ。

「こっちは命がけでやっているのだ」というかもしれないが、それはキックボクサーでもMMA選手でも同じである。「競技人口や認知度が違う」という人もいるが、それなら遥かにそれらが上のサッカー選手になら「ボクサーなんて」と言われても構わないの?

また、競技人口や認知度でショボいというなら、柔道は広く知られるまではショボかったわけ? 柔道は1964年の東京五輪で種目として採用されたわけだが、それ以前の加納治五郎先生が、木村正彦先生がショボいの?

その両方を知る人は皆口を揃えて、全日本を9連覇し、国内外合わせて203連勝を記録した山下泰裕さんより木村先生の方が上だと言うのに? ヒクソンやホイスの父でグレイシー柔術の創始者エリオ・グレイシーを、何度も技をかけては放しかけては放しと子ども扱いしたのに?

ある人は藤原敏男さんを軽視する発言もしていたが、藤原さんは当時ムエタイ・ラジャダムナンのチャンピオンだった人である。つまり、藤原さんをバカにするということはボクシングより歴史の長いと言われるムエタイ自体をバカにしているのと同じことになるのだが。。。

そして、ムエタイはタイ人の誇りである。日本で言う柔道や相撲と同じなのである。それをバカにしてまで守るボクサーの誇りとは何なのか?

また、ホルヘ・リナレスさんが天心のポテンシャルを「井上尚弥と同等」と言ったことはどう考える? リップサービス? 恵は井上選手は日本史上最高と言っていい才能の持ち主だと思っているのだが、いくらリップサービスでも、そこまで言う、普通?

まさか、ボクサーだった人が3階級王者だったリナレスさんを信じないということはないだろうと思うが、それほどの才能の持ち主が命懸けでやっているのがキックなのである。それをなぜバカにできるのだろうか。。。

好意的に読むと、「異種格闘技戦が茶番」だと言いたいのだとも取れる。いや、そう言ってはいるのだろうと思う。だが、そこに「認知度や競技人口の差」を持ち出している時点で、やはり他の格闘技を蔑んでいる感は否めないのだ。

まあ、それでも好意的に考えてみたいとも思う。

逆に今キックやMMAが盛んで、ボクシング人気がそのために低迷しているので「派手さでは劣るとしても、ボクシングはこんなにも素晴らしいものなのに」という想いから出た発言だと思いたい。

全ての格闘技が好きな恵が、一番長く多く見ているボクシングの選手だった人を悪くは思いたくないので。




最後に、天心vsメイウェザーのボクシング戦は、当然RIZIN運営側のミスだと思う。元々はキックルールだったようだし。ただ、恵からすれば、その時点で間違っていると思う。やるなら、やはりMMAルールでないとおかしいから。しかも、メイウェザーが数戦闘ってから。

そういうマッチメイクをしているから、元ボクサーの方にRIZINやK-1を「茶番だ」と言われるのだと思う。つまり、運営側にもその責任はあると思うのだ。

で、RIZIN14では高田さんが何かおかしかった。酔っぱらいのようというか、パンチドランカーのような言動だと感じた。だが、13までは普通だったから、急にドランカーになった可能性は低いと思う。

これは当て推量で全くの勘違いかも知れないが、天心vsメイウェザー戦が天心に圧倒的に不利なルールになったことに心を痛めて、酒を飲み続けてそうなったのではないか、と見ていて思った。

高田さんが全てを決めているわけではないだろうからだ。というより、どれだけマッチメイクなどに口出しできているのかさえ分からない。しんどい立場なのでは、と勝手に思っただけであるが。。。

 


 

だいたい、、、「男の人生はウエイトトレーニングで一変する」でも書いたが、なぜ、ボクシングがたった1.5kgや2kgぐらいずつ階級を分けているか。それはパンチが通用しなくなるからである。そして、相手のパンチがどこに当たっても効くからだ。

天心のキックでのベスト体重は55~57kgぐらいだと思うが、彼がボクサーになっていたら、まずバンタム(53.5kg)以下に絞らされるだろうと思う。身長165cmということもあり、フライ級(50.8kg)まで落とさせられる可能性も高い。

メイウェザーは元々はスーパーフェザー(59kg弱)の選手だったが、最終的にはスーパーウエルター(70kg弱)で戦っていた選手である。つまり、骨格的なベスト体重で言えば15~20kg違うということになる。

実際、計量時で4.6kg差、これでもウエルター級とライト級の選手が戦うのに近い。だが、天心は無理に増量したもので試合の時も恐らくそのまま62kgだっただろうが、メイウェザーは減量→増量といういつものパターンで来ているはずなので、試合の時は恐らく72kgぐらいはあっただろうと思う。もっとかもしれない。

つまり、少なく見積もっても、実際対戦している時の体重差は10kgぐらいあったと思うのだが、これはライトとミドルの選手が対戦しているようなものなのだ。

無敗の5階級王者が、4階級も下のボクシング素人とボクシングルールで戦うなんて。。。

4階級下というのが当て推量だというなら、計量時のもので言い直す。

無敗の5階級王者が、2階級も下のボクシング素人とボクシングルールで戦うなんて。。。

とにかく恵は過去最高と言っていいキックボクサーとしての才能を持つ天心に、あんな形で傷がついたのが悲しい。戦績に関係なくても、メンタル的にはダメージが大きいからだ。

だから、天心にはこう考えてほしいと思う。

史上最高のボクサーとも言われているメイウェザーにでさえ、天心のパンチは当たった。それほど天心の攻撃するタイミングは絶妙である。

天心には、このことだけ覚えておいて、後は全て忘れて「無敗記録」を続けてほしいと思う。そして、すぐにではなく、しばらく経って本当にショックから抜け出してから、武尊と戦う姿を見てみたいと思う。

前に言ったように、どちらかが負けるのは見たくないというのもあるが。。。

 

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天心と武尊

男の人生はウエイトトレーニングで一変する

 

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