この「占い」というのは「運勢」の方ではなく、「個性」の方のことである。
恵は「運勢占い」は嫌いなのだ。変えることがほとんど不可能だからだ。朝食の時、時間を知るためにテレビを付けているのだが、その時「今日の星座占い」などと出てきたら最悪。
以前は聞こえないように工夫(嫁に話しかける等)していたが、最近は諦めている。「良いとされてる日でも悪いことがあったりするから、逆に悪いとされていてもそうでない日もあるやろ」と思うことにしている。
ラッキーアイテムなどと言われても、オッサンが黄色いリボンなど付けて外を歩けるわけもなし。。。要するに、結構信じてしまうから恵は運勢占いは嫌いなのだが、逆に個性占いは好きなようだ。
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元々、高校の時に血液型占いに嵌った。あるその道の大家の本を読んだためだった。恵はO型なのだが、結構当たっているように思った。周りの人間で検証してもやはり当たっているように感じる。それからは出会う人皆に血液型を聞くようになった。だが、結局は4種類。同じO型でも全く違う個性の人間ともよく出くわした。気質は近くても思想が特に違うのだ。
次に六星占術に凝った。母が凝り、その影響を受けたためだ。恵は天王星人のマイナスなのだが、当たっている。周りも当たっているように感じる。しかし、やはりたった6種類。同じ天王星人でも似ているものも感じつつ違う部分を多く持つ人が出てくる。
そこでこの二つを掛け合わせてみた。恵の場合はO型の天王星人マイナスという具合に。するとより精度が上がったように感じたのだ。
その後、それでも合わない人が出てくるたびに、次々他の占いを掛け合わせていった。血液型・六星占術・星座・日本歴史占い・光源氏占い・干支など。周りの人だけでは飽き足らず、芸能人やスポーツ選手などを調べては記憶にストックしていった。
ちなみに、恵は本に書いてあるパーソナリティー診断はあまりちゃんと読まない。いや、一応読むがアテにはしない。自分でストックしたサンプルと照らし合わせた時、どうもしっくりこなかったからだ。かなり、その著者の主観が窺えるものが多いように感じる。
たとえば、血液型占い。ブームの火付け役となった前述の大家は幅を持たせてパーソナリティーについて書いていたのだが、これを継いだこの大家の息子はかなり偏狭的で決め付ける形で書いていた。
彼によると、O型の女性は天真爛漫で天使のような性格だが、B型の女は誰にでもホイホイ付いていく尻軽女、らしい。よほどO型の女性が好きで、Bの女性が嫌いなんだろう。恵の経験上はそんなことはなかった。B型の女性で非常に身持ちの堅い子もいたし、逆にO型でそうでない子も知っている。そんなものは個人差で、そこまで血液型一つで測れるものではない。
アタシも占って!
余談だが、引きこもり犬・アンの占いはできない。保護犬で生年月日が分からないからだ。未年だろうということしか知りえないのだ。
話を続ける。
恵は、占いは単なる傾向だと思っている。「動物とAGA、そして輪廻転生」で書いたが、魂的にはそれぞれ皆違うので、人数分だけ個性がある、と思っている。「ほんなら、何で占いになんて興味があるねん」という声が聞こえたので、それに答えることにする。
たとえば、「アメリカ人気質」「日本人気質」って皆は感じないだろうか。全くもって「ない」と断言する人はいるのだろうか。恐らくその数はそれほど多くなく、少しはそういう気質の違いみたいなものを感じていることと思う。
恵は占いで分類できるのはこの程度だと思っている。O型気質、B型気質という感じで。だが、それをより多く掛け合わせることでもう少し「傾向」を絞り込むことができるのでは、と考えたわけだ。
だが、だからといって、「アメリカ人なのに日本人のような人」や「日本人なのにアメリカ人のような人」っていないのか。いや、そこまで考えなくても、「アメリカ人はアメリカ人、日本人は日本人で皆一つの同じ性格をしている」と考える人などいないだろう。先の大家の息子のしていることはこれとたいして違わないように思う。
もしかするとこの息子は「わざと」断定的にすることによって血液型占いを「発展」させようと試みたのかもしれない。既に父親が全体像を作り上げてしまっていたため、それしか続ける方法が見つからなかったのかもしれない。が、やはり、「事実」とは違うことを書いては、その根本すら揺らぎかねない。実際、そのせいもあったか、「人間を4種類に分類できるのか」ということになって、血液型ブームは消え去った。
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上記のことを踏まえても、恵はそれぞれの占いによるパーソナリティーの「傾向」はあると思っている。そして、その傾向を掛け合わせていくほど精度が上がっていくことも。それは下記の体験から確定的になった。
ある日、テレビを見ていると一人の女優がドキュメント系の番組に出ていた。確か「世界うるるん滞在記」だったように記憶している。彼女の事はテレビを通して一応知ってはいたが、どんな女性かまでは知らなかった。もとより女優で役になりきっているのだから、それほどドラマでは「個性」は見えない。
何の気なしにその番組を見ていて、ふと、強く感じたことがあった。すごく変な言い方になるが「あれ、この子、俺の女?」という感覚である。それぐらい馴染みを感じるのだ。自分でもおかしく思い、よく考えてみると非常に性格が嫁に似ているのだ。何かに対するそのリアクションから考え方まで。
そこで調べてみると、干支・血液型・六星占術・日本歴史占いまで同じだったのだ。それでやはり掛け合わせで精度を上げた占いは当たるという結論に達したわけだ。
だが、ここで冷静にその確率を見てみると、干支12×血液型4×六星12(プラスマイナスがあるため)×日本12(女性のみ)=6912人となり、7000人程に1人いることになる。世界中の女性をブルゾン流で「35億」として、嫁に慣れ親しんでいる恵が会うと、非常に馴染みを感じる女性が現在地球上に50万人いることになる。
ううっ、、、こう考えると、非常に現実味がなくなるなぁ。。。
まあ、占いは一つの「遊び・楽しみ」である。そこまで突き詰めて考えも仕方がない、、、としておく。
だいたい占いでも何でも、分類を突き詰めていった結果、行きつく先は究極的には「1」だ。そうなったら、「一人一人別々」となり、もはや、「分類」の意味もなくなる。
何やってるんやろうな、ほんまに。。。
ちなみに恵とは違い、「運勢占い」の方をできる限り全て掛け合わせた人がいた。結果は、それぞれの占いが幸不幸を相殺して「プラスマイナス0」だったそうだ。
やはり、こちらもそうなるのね。。。
まあ、占いは当たるも八卦、当たらぬも八卦ということで。。。
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