【ベンチプレス】セーフティーの使い方から肩甲骨寄せや傾きの修正まで

あんまり暴れるようなら、おまえ挙げてしまうぞ。。。

 

自宅トレーニングかジムか、器具は何を使用しているかで違ってくると思うが、ウエイトトレーニングで一番危険が伴う種目はベンチプレスであることはまず間違いないと思う。他の種目の場合、どこかを傷めたという話は聞くが、半身不随や死亡は聞いたことがない。だが、ベンチプレスだけは時々そういう話を聞くからだ。

 

スポンサーリンク

 

できればやはり必ずセーフティーラックや補助を使ってもらいたいと思う。恵が行っているジムにまだセーフティーがなかった頃、恵自身、何度か危ない目に遭ったことがあるからだ。補助を付けるのが嫌いなためだった。

今はジムにセーフティー付のベンチプレス台が導入されているし、パワーラックもあるのでどちらでベンチプレスをしても恵とすれば安心なのだが、それでもなぜか多くの人がセーフティーを使わないで行っている。

毎回スタッフを呼んで補助してもらうか、限界まで追い込まずに終了する形でトレーニングしているのである。だが、実際には予想に反して潰れてしまうこともあり、その場合、他のトレーニーに「助けてください」とお願いしている。

まあ、他のトレーニーがいる場合は良いが、いない時に潰れたら大変なので、恵はみんなにセーフティーを使用してもらいたいと思う。

恐らくセーフティ―を嫌う理由は「バーが当たることがあるから」だと思う。だが、恵からすれば「バーが当たることの方が問題」だと思うのだ。そのままの挙げ方だと肩を壊す可能性が高くなる。だから、当たるからセーフティーを使わないのではなく、問題の修正をした方が良いと思うのだ。




まず、ベンチプレスをする時に「肩甲骨を寄せる」ようにしているだろうか? やり方はベンチに寝て左右の肩甲骨を中央に集める感じだが、分かりにくければ、とりあえず両肩を後ろに引く(ベンチ側に引く)ようにしてみると良い。

それで幾分は肩甲骨が寄っているので、そこからもう少し肩甲骨自体を意識して中央に集めようとしてみてほしい。すると、ぐっと胸が張る形(持ち上がる形)になるはずである。

この姿勢でベンチプレスをする理由は「動作時、肩が動かないようにするため」である。肩は可動域を広くするために他の関節のように固定されてはおらず、筋肉や腱で支えているだけなので非常に不安定な関節である。だから、負荷が掛かっている時に肩が動くと壊れやすいのだ。

実は恵も若い頃、何の知識もなくベンチプレスをしていて肩を壊している。その影響はその後ずっと続き、今でも細心の注意を払ってケアしながら限度を超えないようにしかトレーニングできない。皆にそうなってもらいたくはないのだ。恵のようになったら、ウエイトを続ける気力すら失いかねないので。

だから、肩甲骨を寄せて肩を下に固定した姿勢のままベンチプレスを行ってほしいのである。




では、さっきの肩甲骨を寄せた状態から、今度は「首の付け根をベンチに突き刺す」感じにしてみてほしい。ただ頭側にズルッと移動するのではなく、首の付け根を斜め下方向・頭側にグサッとベンチに突き刺すのである。

すると腰が持ち上がると思う。その姿勢からできるだけ頭側に近い位置に両足を持ってきて踏ん張り、尻をベンチに付けると身体のアーチが完成するはずだ。

これは一度ベンチに足を乗せて思いっきり腰を持ち上げてから、できるだけ頭側の床に足を下ろせばもっとアーチは高くなるが、ベンチプレス大会に出るつもりがなければ、そこまでは別にしなくても良いと思う。あくまで故障しないためとセーフティーを使うためだけだから。

これでかなり胸の位置が高くなったと思う。肩甲骨寄せによって左右に、エビ反りによって上下(頭側足側)にアーチができたからだ。

そして、その体勢でバーベルバーを上げ下げして当たらない最高の高さにセーフティーを設定してみる。そして、肩甲骨の寄せと腰のアーチを解けばバーがセーフティーに乗り、身体にかかっていた負荷が完全になくなって、尚且つそのバーを持ち上げずに何とか抜け出せるようならその位置でOK。

実際には、恵はセーフティーラックの設定は肩甲骨寄せだけで行ってしまう。それで大丈夫なので。

まず、だいたいの高さにセーフティーを設定してベンチに寝て、肩甲骨を寄せてバーを胸に下ろす。この時、カチンとセーフティーにバーが当たったらダメ。必要分下げる。そしてまたバーを上げ下げしてみる。

胸には当たるがセーフティーに当たらなければ、今度はそこで肩甲骨寄せを解く。するとバーがセーフティーに乗り、胸との間に隙間ができて、抜け出せるようならそこで決まり。

ただ、これでも実際にベンチプレスをしている時にバーがセーフティーに当たることがある。「だからセーフティーは使いたくない」と言う人もいると思う。が、恵は「だからセーフティーを使ってもらいたい」のだ。この設定で動作時バーがセーフティーに当たるのが問題だからだ。そのまま動作していると、肩を壊す可能性が高くなるのだ。

 

スポンサーリンク

 

バーのみで上げ下げしている時にはセーフティーに当たらず、本番の時に当たる理由はいくつかあると思う。

1つは、「乱暴に上げ下げしている」場合。これで恵も時々バーがセーフティーに当たることがある。あらかじめ決めたレップス(回数)を挙げたいと思うあまり、急いで乱暴に上げ下げしてバーベルが左右にぶれているからだ。

だが、やはり、あまり「暴れるように」ベンチをすると肩甲骨寄せが解けてしまうこともあり、肩が前に出て(肩が動いて)壊しやすくなるので修正した方が良い。

実際、暴れてバーベルが左右にぶれて当たっている場合であれ、肩甲骨が解けて胸の位置が下がったために当たっている場合であれ、どちらでも故障の原因になりやすいから注意が必要だと思い、恵はセーフティーに当たったら、その辺を見直すようにしている。

もう1つの理由は、やはり「肩甲骨寄せが解けて動作している」場合である。こうなる理由の多くはバーラックの位置が高すぎるからだ。つまり、ラックアウト時、ラックが高すぎるために肩甲骨を寄せている状態では外せず、無意識に背中の寄せを解いてしまっているのだ。

特に高重量になるほど肩が沈み込むためラックアウトしにくくなるのだが、この修正は簡単で、バーラックの位置を1つ2つ下げるだけで完了。

そして、もう1つは「動作時、左右どちらかにバーベルが傾いている」場合。中には「右、左」とか「左、右」とか号令でもかけられているかのように、片方ずつ挙げているぐらいの人もいる。左右の筋力に差がある場合にそういう挙げ方になりやすい。

ベンチプレスは主に胸・肩・三頭筋で挙げるが、左右のそれぞれの筋肉の強さが同じであることは少なく、場合によっては「左胸と右三頭筋で挙げている」などという不均衡さえ起こりかねない。

この修正は結構長くかかる場合も多いが、そのままでは常に下側になっている方の肩を壊す可能性が高いので、しっかりと直してほしいと思う。また、傾いたまま挙げ続けても、必ずといって伸び悩む時期が訪れる。だから、この修正は「記録を伸ばすため」と思ってやると良いと思う。実際、修正できれば傾いて挙げていた時より伸びやすくなるはずだから。

で、直し方だが、まずは意識して左右同時に押すイメージで動作することを心掛ける。重量は人それぞれ。軽い方が同時に押しやすいとは思うが、それでもレップスの終盤に傾き出すかもしれない。軽いと疲れても挙がりやすいので。

それぐらいなら、3~5発しか挙がらない重量でやった方が直りやすい人もいるかもしれない。まず高重量だと、「一気に押さないと挙がらない」というイメージから左右同時に押しやすく、重いからレップスの最後の方で傾けたからといって挙げられないため。マックス(1発挙げ)を傾けて挙げようとする人がいないのと同じ原理。

重量に関しては、上記を参考にして自分に合ったものを探ってみてほしい。

もう1つの方法は、しばらくの間、ダンベルプレスをメニューに加えることである。バーベルと違い、ダンベルの場合は、左右どちらかの弱い方を反対側の筋力で補うことができない。つまり、ダンベルプレスで左右の筋力差をできるだけなくすのである。

バーベルベンチプレスで胸から左右同時に一気に押す意識を持つ、ということと、ダンベルプレスで筋力の不均衡をなくす。

この2つをやれば傾きは修正できると思うので、根気よく続けてほしいと思う。そして、修正度合いが増せば増すほど記録も伸びるはずである。

 

スポンサーリンク

 

次回は、念のためにセーフティーのないベンチプレス台で潰れた時の脱出法を書いてみたいと思う。

 

セーフティーのないベンチプレス台で潰れた時の脱出方法

 

目次へ

 

スポンサーリンク